711報告

 第3回世界ベンゾ注意喚起の日。

昨日の711、無事に終わりました。

 参加者は30名ほどで、厚生労働省からは5名の方が出席されました。

 要望書のついての回答ということでしたが、私としては、残念ながら、満足できるものではありませんでした。

 しかし、現在厚生労働省では、向精神薬の適正処方に関する研究班を立ち上げ、減・断薬、休薬方法についてのガイドラインを研究しているとのことです。来年度末には何らかの成果が出てくるはずと。

 また、要望書の5

「離脱症状等、ベンゾジアゼピン系薬物の専門医療機関の整備」

 についてですが、

現在、依存症対策として薬物依存の専門機関を各都道府県に一つ設置するという動きがあるとのことでした。しかし、これはあくまで違法薬物についてのもので、もちろん処方薬依存にも対応するとのことですが、やはり違法薬物と処方薬物とでは、「依存」の形成や「離脱」の仕方にも違いがあり、一括りには語れない部分も多いと感じます。

 要望するのは、あくまでも「処方薬依存」に限っての専門機関であり、そもそも厚生労働省の中に、「処方薬依存」を担当する専門の課が存在していない現状が問題であると指摘しておきました。

 また、研究を行う医師の名前の公表もお願いし、のちほど回答を受け取ることになっています。また、研究班の中に当事者(患者)を含めてほしいことも訴えてました。

 

 体験談は5名の方が行いました。

 どの被害も深刻な内容でした。「常用量依存」でも長期の服用による重い離脱症状の経験や、離脱症状のためにやめるにやめられず、飲み続けなければなら辛さ、医師の無知、無理解。

さらに、重篤な副作用の体験――遅発性ジスキネジアや化学物質過敏症、あるいは症状として筋肉の減少(運動障害、歩行困難等々)などといった報告もありました。

また、若い女性への安易な薬の投与(妊娠の可能性を考慮しない投与)についても体験談で語られました。

そして、今回は医療ジャーナリストの月崎時央さんにも、「減薬ダイアローグカフェ」や「お薬当事者研究」などの活動について報告をしていただきました。

その中で訴えられていたこと。

「減薬という「治療」のできる精神科医を養成してほしい」という訴えは、私も本当にその通りと頷きました。

 

 私からも一点、指摘させていただきました。

 現在ではひとまず、不安や不眠への処方を12カ月までと期間が限られることになりました。しかし、これは、突然の処方期間の短縮による大混乱を避けるための暫定措置ではないかと思っています。

 厚労省から委託を受けて研究や分析を行っている医療経済研究機構の奥村泰之氏は、Facebookの中で次のように書いています。

12か月についてですが。激変緩和措置と捉えると、それほどの違和感は生じないのではないでしょうか。ほぼ影響のない、頭出しをした後、徐々に絞めていくという、流れと見ております」

 それに対して、ひょうごこころの医療センターの精神科医である小田陽彦氏も、

「当局の資料を読む限り、やはりその流れですよね。許容期間は改訂の度に短くされていき、ついには欧米並みになるのではないかと私も思います」

 と書いています。

 

 つまり、厚労省としては今後も段階的に処方期間を短くしていき、最終的に4週間にしていくのではないかということです。

 としたら、日本も海外並みになったということで、国としてはベンゾの問題はこれにて終了――幕引きをはかりたいのではないかと勘繰っています。

 しかし、たとえ今後ベンゾの処方が海外並みになったとしても、それ以前の被害が消えるわけではありません。

 1980年代から警鐘を鳴らし始めた海外に比べて、ベンゾに関して日本は40年遅れているのです。その間にどれほどの被害を生んできたことか。ただ医師の処方通りにベンゾを飲み続け、このような結果になったことは、ここまでベンゾを放置してきた国、厚生労働省の責任は大きいと考えます。したがって、離脱症状に特化した医療機関の設立は強く求めるところです。

 

 午後2時から1時間という枠の予定でしたが、大幅に延び、終了したのは3時45分頃でした。

 それでも厚生労働省の方には最後まで丁寧に対応していただき、感謝しております。

 711日という「世界ベンゾ注意喚起の日」(ウェイン・ダグラス氏が提唱者。彼は現在母国ニュウージーランドに帰っています)、こうした記念の日を設けての活動はたいへん意義のあることだと感じています。

 来年も再来年も継続されることを願いつつ……。

 以上、711の報告でした。

 

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