ASDの人の中には「ジェンダー問題」を抱えている人が多くいる。


私(ASD +ADHD+若干LD)もジェンダーがおかしい。私のジェンダーはトランスジェンダーではなく「Xジェンダー・不定性」というやつだった。

「Xジェンダー・不定性」とは「性自認が流動的で男性と女性を行き来する」ジェンダーで「日によって自分の中の男性・女性の割合が変わる」というものである。「Xジェンダー・不定性」のことを知る前から、「今は男性性4・女性性6」「あれ?今日は急に男性性7・女性性3だなあ」となっていて、自分の中でジェンダーが揺れ動くことに大きな不安と「自分って変?!こういう人、いないんじゃ…」みたいなことを思っていた。


最初、こういう風にジェンダーが突然揺れ動いて変化するのは「躁うつ病や統合失調症系の病気の症状なんじゃないか」…と勘違いした。でも、ずいぶん前から、私はネットで何かの会員登録をする時の「男・女」に⚪︎をしなきゃいけない時に「あれ?私…男だっけ、女だっけ…あれ?急に分からなくなっちゃったなあ」という状況に遭遇することがしばしばあった。「一応、女に生まれたんだから、女のところに⚪︎をしておこう」といつもなって、モヤモヤを抱えながら⚪︎をしていた。


何年かそういう風にして過ごしてきて、今年2024年5月になって、自分のASDが判明した。慌てて、ASDに関する本、とりわけ女性ASDの本をたくさん読んでいるうちに「ジェンダー問題」のところで「あ…これだ…私、ジェンダー、変…これだ…私、Xジェンダー・不定性だった…しかも、確実に、性嗜好がアセクシャルでアロマンティックだ…」となった。こういう人が自分だけではなく、日本の中で約116万人いることを知って安心した。


昔から恋愛に全く興味がなく「愛」というものが気持ち悪かった。セックス断固拒否人間。セックスなんて気持ち悪いものなんでみんなするの?私にはそれが分からなかった。セックスやる人、頭がイカれてるんじゃ?!と思ってきた。映画や小説で、最も気持ち悪くてダメなのが「ラブストーリー」「恋愛小説」である。気持ち悪くてオエっとなる。映画「タイタニック」を見て、主人公の男の人が船の中の女性を愛してイチャイチャしている場面を見てしまった時に「げっ…オエっ…私、こういうの…ダメ…」となり、それ以来、ラブストーリーの映画は一度も見ていない。


小説で、最初にラブストーリー?に出会ってしまったのが、村上春樹の「ノルウェイの森」である。この時、ちょっと私にはジェンダーの知識が全くなくて、レズとかゲイとかの意味・知識を全く何も知らない人間だったので、余計に「私…こういうの…ダメ…意味分からない」となって、パタっと本を閉じた。性的描写さえもが私はダメだったので「ノルウェイの森」は私にはキツかった。でも、そういう自分がジェンダー的に変で「Xジェンダー・不定性」であり、アセクシャル(無性愛者・他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱かない)でアロマンティック(他人に恋愛感情を抱かないセクシュアリティ)だったとは当時、夢にも思わなかった。


確かに、私は小さい頃から、女の子のオモチャが気持ち悪くて、好きだったのはガンダム、仮面ライダー、恐竜、少年ジャンプ、紙で作る剣、盾、鎧、兜…とかだった。そして最近、ハンドメイド作家になって、自分が作るいろいろな作品を見ているうちに「あれ?私ってメンズデザインの作品ばっかりじゃん」「あれ?でもレディースデザインの作品もある…でもメンズデザインの作品のほうが若干多い…あれ…どうして…」となってしまった。そうして、ようやく自分のジェンダーが「Xジェンダー・不定性」で「アセクシャル&アロマンティック」だということに辿り着いた。結婚というものがいつも私の蚊帳の外にあって、結婚とは無縁で、ずっと独身を貫き通してきたのも、このジェンダー問題が背景にあった。


それに「結婚しない」ほうが、一日をフルに大好きなハンドメイドの作品作りに充てられて、私にとっては幸せである。結婚してしまったら、苦手な家事、掃除、食器洗い、夫の世話に時間を取られて、ぐったり疲れてしまって、大好きな創作活動ができなくなってしまう。そんなの嫌。赤ちゃんなんてとんでもない。嗅覚過敏の凄さでオムツさえ取り替えられない。結婚しない人生こそ、私にとって最大の幸せである。だから、私は今、とても幸せに生きている。


ハンドメイド作家「魔法使いアリス」

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