オーストラリアからのお客さま［オツカレ！（手もみ）］

オーストラリアからのお客さま

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小太郎日記

2024年4月19日

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《オーストラリアから予約が入った》

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先週、ぼくの小さなお店に、オーストラリアから国際電話予約が入った。奇麗な声のおねえさんだった。

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あまりにも奇麗な声だったから、ハナから営業電話だと思っていたら、ご夫婦ともにオーストリアでサロンを営むセラピストのお二人だった。

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最近は東京や大阪・四国など、ずいぶんと遠くからやってくるお客さまが多いけど、オーストラリアにはびっくりしたね・・・。

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ご主人が中国系で、奥様が日系だ。ご主人は日本語はわからなくって、奥様は中国語がわからないので、英語で会話をするらしい。

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ものすごく微妙なことを伝える時にはどうするのかって？

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だってぼくが中国に住んでいた時にも、アメリカ人やイタリア人と中国語で話していたけど、なんだか不思議と伝わるものなんだ。

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ぼくは英語が分からないから、何十年も前に忘れてしまった中国語のメモを用意したけど、ご主人の前に立ったら頭が真っ白になって全て忘れた・・・。

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（でも、サイダーって中国語は忘れなかった。ちなみに日本語のサイダーはシードル《林檎酒》のことだからソーダポップで翻訳は調べてね）

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語学なんてはっきり言って正確性より度胸なんだと分かっているけど、シャイなぼくには無理だったね。

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《一番驚いたこと》

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朝一番、レンタカーでお二人は現れた。小麦色に焼けた奥様（って言っても、ぼくの娘より若そうだけど）が、車内からぼくを見つけると、「Hi！！」といった感じで、ぼくに手を振ってくれた。

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シビれたね！　ぼくには手を振りかえす度胸はなかったから、直立不動、頭だけ下げた。

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奥様があまりにも小さく細くて、この身体で、大きな外国の人をどうやって施術するのか不思議に思った。

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とっても長くて奇麗な髪の毛は、明日、日本でカットするらしい・・・。少しもったいないけど、毛量が多くて重たかったから、肩や首は楽になるに違いない。

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発音豊かな外国語を喋る人に特有の、頬骨の筋肉が発達して、やはり日本人離れした美しい顔立ちだった。

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さらに驚いたのは、二人とも、余りにも全身の筋肉の質がぷりぷりしていて良い状態であったこと。

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ぼくのお店には同業者の人々が30人くらいは来ているけど、はっきり言ってみんな、メンタルも身体も疲れきり、筋肉は例外なく硬い。（多忙と発散で運動不足、アルコールやカフェイン常用の人も多いかな）

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よく外国人が「規則が厳しく正確性を追求する」日本に来てから肩こりを知ったと言うけれど、日本の施術家は、自分自身がリラックスして、会話を楽しんでトリートメントすることが下手だと思う。

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慢性疲労でストレス過多なお客様の要望を必死に聞き入れ、自分の能力や体力を超えてまで、ふらふらになって施術している人が多いんだ。

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お二人はその点、それらを訊くまでもなく、筋肉の質が物語っていた。

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決して無理をしていないのだろう。私生活を犠牲にしたり、自分の不調を我慢してまで客数をこなし、お金を稼ぐことに必死になっていないのだろう。

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日々、スポーツやハイキングを楽しんでいると言っていたしね。

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個人差はあるけど、外国の人は本当に大きい人も多いから施術は大変だ。

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中国にいる時に施術したドイツ人。肥満ではないし、特にスポーツ選手でもなく、普通のサラリーマンだけど、ぼくとは、もう骨格が幼児と大人くらいの差があって、彼の腕が、ぼくの腿より太くて重くて、同じ人間とは思えないほどだった。（そのドイツ人の友人3人すべてが2メートル以上の身長があって、思わず見上げたね・・・）

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彼女（奥様）は、そう言った大きい人も含めて施術をしているはずだけど、日本の中学一年生くらいの身体の大きさしかないのに、それをこなしている。

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無理はしないんだ。自分の能力の範囲で、楽しんでトリートメントをおこなっているに違いないんだ。

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