House Of Modern Rock (VIII)

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彼らの新作だ!号外を出せ!!

特設で発表会をする、そこを貸しきれ!

これは解散宣言なのか?実に良い出来だが……

ただの新作発表だよ、昨日も4人でリヴァプールのカフェにいたよ。

このレコードには、一つの物語が納められている。

これはRockの到達点とも言えるんじゃないか


マスターの回想 その5

1969年9月26日 英国で、Rockの歴史的傑作が誕生した。

知らない者はいないと言っても過言ではない、その有名なジャケットのアルバムこそ、Abbey Roadである。

音楽が収められたアルバムの概念を覆したとも言える、それはまさに物語であった。

四季の如く、曲が移り変わるたびに、聴者の心情へ別のメッセージを訴えかける作品は、国民にとってセンセーショナルかつ歓喜であったに違いない。

後にアルバム全体がメドレー形式となる作品は、他アーティストにより発表されるが、Abbey Roadはその最たる作品であった。

つまり、Abbey Roadがなければ、狂気もNow And Thenも生まれなかったかもしれない、ってわけだ。

マスターも作品発表を聞きつけ、街のレコード屋さんへ足を運んだ。


マスターはポーラより先に、Abbey Roadを聞きたかった。

ポーラの予言だと、このジャケットのアルバムがRockという一つの文化を大成させるというものであったはずだ。

巷での評判も良く、やはり曲単体では輝きが半減してしまうと、皆口を揃えていた。

レコード屋さんのカウンターの奥から、大柄な赤毛の女性が現れた。

「すみません、Abbey Roadを聞かせて下さいませんか?」

女性はマスターを宥めるように、優しく返す。
「あんた、うちのバカ息子が小さい頃にそっくりだね。いいよ、今聞かせてやるよ。」

青い瞳が美しく、おせっかい気質を兼ね備えた、素敵な女性だな、マスターは心中思う。

ふいに女性が話し始めた。
「Abbey Roadは素晴らしいアルバムだね。
実質4人は4人であって、4人ではない、なんて言われてるけどね。
でも、あたしは彼らの、いやRock史に残る最高傑作だと思うよ。
特にB面メドレーの出来栄えは……」

セットされたレコードプレーヤーから、音が流れてきた……




マスターは、聴きながらポーラを想っていた………















シャウトはジョンの専売特許だったはずが……にて