朝、目が覚めた時の気持ちは絶望に似ていた。
昨日まで検索魔になっていたそわそわ感が消え失せた。
あ、わたし諦められたんだな、と思った。

胸の痛みや腰痛、足の付け根の痛み、生理痛のような痛み、全てなくなった。

娘といるのに隙間時間に検索魔してしまうことをやめられるようになった。
よかった、陰性を受け止められてる。

15:00頃、トイレに行き、ナプキンに薄く茶オリが付いているのを見る。
ティッシュで拭くとほんの少し、茶オリやうすいピンおりが着く。

生理がくるのか。
そういえば今回はエストラーナテープの処方がない。
ルテウムだけでは内膜を保てず、生理予定日+1日であるBT10、生理がくるのかもしれない。

そう悟った。
生理前の頭痛や、足が冷える感覚、それに強い生理痛がしはじめる。

なにかがびゅっと出るような感覚が股にある。

血を確かめるためにトイレに行った。
血は出ていなかった。

その後、何度かトイレに行き確認するが、ペーパーに本当に少し、よく見ないと分からないくらい薄いピンオリは時々つくが、出血はなかった。

おかげで検索魔になってしまった。
今まで、陰性の時に一度も出血したことがないからだ。
もしかしたら奇跡があるのか。
奇跡は起こらないと知っているのに、ついそう思ってしまう。

娘に「ママのお腹の中に赤ちゃんいる?いない?」と聞くと、「いるよ」と答える。
ただ、まだ2歳なので初めに問われたことをおうむ返ししているのではないかと思い、もう一度質問を変えてみた。
「もういないかな」と、そう聞くと、「いるよ。もうちょっといるよ」と答える娘。
本当にいるのではないかと思えてくる。
もうちょっと、ってどれくらいなんだろうか。
数時間?数日?数週間後?数ヶ月後?

うちのクリニックは化学流産だと次の移植を連続でできず、おやすみ周期をはさむ。
判定日のhcgが0なのか、一桁はでるのか、気になるところだ。
本当は三桁あれば嬉しいけど、そんな奇跡は起きないだろう。
心の中のほんのちっちゃなスペースに、その可能性をしまって、1%だけ望みを捨てずに、すごしていく。