娘はとても可愛い。
下からのアングルで見た娘の顔は、生まれたての時と同じ顔をしている。
たくさんお喋りができるので、意思疎通もできるし、おままごとなどのごっこ遊びもできる。
外で寝そべる癇癪はやっかいだけれど、イヤイヤ期真っ只中でかわいい。
指示も通るし、ごはんは自分で食べれる。
好き嫌いはない。
夜通し寝るし、朝も起こさなければ9時まで寝続けていることもある。
夜の寝つきは少しわるいが、お昼寝はすぐに寝つく。
走るし、ジャンプもできるし、自分の名前や年齢も言えるし、お友達の名前も言える。

自宅で困ることはなにもないと言ってもよかった。

保育園の懇談があった。
「娘ちゃん、マイペースなところがあって、個別の声掛けが必要です」と言われた。
ショックだった。
なにも心配ない子だと思っていた。
どうやら、全体に向けて「遊んでいいよ」と言っても娘はじーっと座っているらしい。
「娘ちゃん、遊んでもいいよ」と名前を呼びかけて指示を出せば動く。
手洗い中、声をかけないと次の動作に移れないらしい。
泡を出すよ。とか、洗うのおしまいにするよ。とか、手を拭くのをやめてあっちのお部屋に行くよ。とか。
言わないと、ずっと手を洗っていたり、ずっと手を拭いているらしい。
「次はなにをするんだった?」と聞くと正解を答えるので理解はしているようです、と言われた。

先生に、「自信がなくて、マイペースなのかな」と言われた。
「でも、周りが見えていないのかもしれないし、成長しないとわからない」と言われた。

自信がない。
わたしが怒りすぎているから?
そんな風に自分を責めたりした。
個別に見れば問題はないのに、集団に入ると困り感のある子どもというのはいる。
場面緘黙などが浮かぶ。
しかし、娘はリーダーシップをとってお友達と遊んでいるようで、社会性が全くないわけではないようだ。
保育士をしていたころの記憶を手繰り寄せ、そういった子どもがいたかどうか探してみるけれど、思い当たらない。
しかしそもそも、1歳児クラスを受け持ったことがないからよく分からなかった。
1歳児ってそんなものじゃないの?と思いたい気持ちもあった。
けれど、先生がわざわざ伝えてくるということは余程気になるということなんだろう。

時が経って改善されるものなのかも分からず、不安な気持ちだけが残った。
「集団において気になる姿はありますか」とわたしから聞いたものの、聞かなければよかったと思った。
それは「なにもないですよ」と返ってくることを想定していたからだと思う。
娘が生きやすくあればいい。
何か問題があれば療育に通うこともひとつの手段だと思っている。
しかし、明らかな問題でもないところがまた迷いどころだ。
確かに時々、娘は変わった子だな、と思うことがあった。
人見知りが激しいのに、妙にコミュニケーションに積極的なところがあるところとか、子どもっぽい一面があると思えば子どもらしくない一面もあったりだとか、なんとなくぎこちなく感じる部分があった。
うまく言語化できない。
その言語化できないぎこちなさが娘の生きづらさなのだろうか。
親としてなにができるのだろうと考えたりした。