劇場にて鑑賞

ケイト・ウインスレットアカデミー主演女優賞を受賞した作品


解説
幼いころに恋に落ち、数年後に劇的な再会を果たした男女が、本の朗読を通じて愛を
確かめ合うラブストーリー。
ベルンハルト・シュリンクのベストセラー「朗読者」を原案に、『めぐりあう時間たち』
の名匠スティーヴン・ダルドリーが映像化。
戦時中の罪に問われ、無期懲役となったヒロインを『タイタニック』のケイト・ウィンスレット、
彼女に献身的な愛をささげる男をレイフ・ファインズが好演。
物語の朗読を吹き込んだテープに託された無償の愛に打ち震える。

あらすじ
1958年のドイツ。
15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに
心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。
やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読する
ことがふたりの日課となる。
ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。
8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。
たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。
裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは
隠し続けようとしていることに気づく。
その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩
を深めていくのだが…。
A Day In The Life


以下ネタバレあり

バスの乗務員をしていたハンナが上司に呼ばれ、「君は成績がいいので、これから事務に

まわってもらう」というところで、戸惑いを見せるあたりから、彼女の秘密はある程度

わかった。
A Day In The Life

そして法廷で、自分に有利な判決も下りたはずなのに、裁判官から「筆跡を調べたいので、

書いてくれ」というくだりで、一瞬の間があった。

その間で観客は察知したはずだ。

彼女の秘密を・・・

ナチスに捕らわれ、犠牲になっていったユダヤ人の遺族。

そしてハンナの過去。

ドイツの暗い歴史を観客に感じさせる映画であった。

マイケルがハンナが収監された後、ずっとハンナの朗読者としてテープを

送りつづける日々。

あの場面が一番心に刻まれている。

哀しいけど、心に残る映画である。