思い出してみれば、ブログを始めて10年以上が経つ。
毎日書いた。毎日毎日書くことで、自分を取り戻せるようなきがしていたのかもしれないが…いや、それよりとにかく、書くことが楽しかった。
日常では決して知り合う筈のない人と友達になり、やり取りをするのも楽しくなった。逆に、ある日突然ブログが消えてしまい呆然としたこともあった。自分がやめようとした事も何度もあるし、やめたブログもある。
その中でも思い出深いのは、少し年下のsoraさんという男性のブログ。日常を書きながら、面白くて、ステキで、時にしんみりとして、今も探してしまいそうな程に思い出深い。とにかく、文章がうまかった。
何かに悩んだ時、彼は「書く事は考えること」とコメントをくれた。ああ、この人は同じにおいがする!そう思うと、嬉しかった。なんだろう、他人とは思えない、というか。恋愛感情ではなく、イヤ、少し惹かれてはいたのだろうけれど、それは恋愛感情とも少し違い、文才に憧れ、ユーモアのセンスに感心して、とにかく、記事を読むのが楽しみだった。
そんなsoraくんも、頻繁には書かなくなり、ある時、全てをやめてしまった。理由は分からない。今でも生き別れになった弟のような気持ちで、探してしまう時がある…。
今もほぼ毎日書き綴る日記は、毎日なんてえらいね!なんて言われた事もあるが、そうではなくて、書かずにはいられない、が正しい。ある種中毒のような、ブログ…。
他にも友達はたくさん出来たけれど、やめると同時に友達関係も消滅した。ただ、ただ、寂しかった。
真剣にいろんな思いをやり取りしたけれど、それもブログあってこそ…そんな薄い関係だから、成立した友達関係だったのかな?とも思う。現実でなく、かと言って嘘でもなく。問いかけに返信はあるけど、拘束力はなく…。今、削除ボタンを押せば、全ての関わりが失くせる、そんな関係。
それでも、私は時々、soraくんを思い出す。隣で電車の吊り革につかまるこの人かもしれない…なんてことを思いながら。