#ブログを始めたきっかけ | そらいろ

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写真とガーデニングとワンコが好きで、そんな日々を綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

思い出してみれば、ブログを始めて10年以上が経つ。 


それまで読んだことも覗いたことすらなかったブログを始めようと思ったのは…単なる思いつき。みなさんどんな事を書いていらっしゃるのかも全く知らずに、ただただ、作文の好きだった私は、13年くらい前だろうか、ふと思い立って書き始めた。

その年の春、二男が大学に進学して家を出た。夫君はずっと単身赴任中、月一顔を合わせるのみ。長男は二浪しても思うような結果を出せずに二男と入れ違いに自宅へ戻ったものの、気ままな浪人生活をエンジョイしてきた彼には、鬼母の目が光る我が家は息苦しかったようで…ちょっとしたきっかけを待つようにして、通帳だけ持った彼は家を出て行った。

家にひとりになった私は、一日中天井を見て過ごした。つまりは、何もしなかった。物凄いタイミングの良さというか悪さというかで、会社では、善かれと動いたことにより社長のパワハラに遭い(今なら絶対に訴えてる!)仕事も辞めて、ひたすらに、なにもする気にならず、天井を眺める毎日。

そんな日が暫く続いたある日、新聞でブログについて書かれた記事を読んだ。やってみよう!気持ちは動いた。音楽の事、本の事、日記以外にも思いつくまま木の向くまま…詩を書きだしてみると絵が欲しくなり、手っ取り早く、ガラケーで撮り始めたのが、写真との出会い。

内容は今と同様、ワンコの事、花の事、息子たちの事、昔の事…なんでもあり。

毎日書いた。毎日毎日書くことで、自分を取り戻せるようなきがしていたのかもしれないが…いや、それよりとにかく、書くことが楽しかった。


日常では決して知り合う筈のない人と友達になり、やり取りをするのも楽しくなった。逆に、ある日突然ブログが消えてしまい呆然としたこともあった。自分がやめようとした事も何度もあるし、やめたブログもある。


その中でも思い出深いのは、少し年下のsoraさんという男性のブログ。日常を書きながら、面白くて、ステキで、時にしんみりとして、今も探してしまいそうな程に思い出深い。とにかく、文章がうまかった。

何かに悩んだ時、彼は「書く事は考えること」とコメントをくれた。ああ、この人は同じにおいがする!そう思うと、嬉しかった。なんだろう、他人とは思えない、というか。恋愛感情ではなく、イヤ、少し惹かれてはいたのだろうけれど、それは恋愛感情とも少し違い、文才に憧れ、ユーモアのセンスに感心して、とにかく、記事を読むのが楽しみだった。


そんなsoraくんも、頻繁には書かなくなり、ある時、全てをやめてしまった。理由は分からない。今でも生き別れになった弟のような気持ちで、探してしまう時がある…。


今もほぼ毎日書き綴る日記は、毎日なんてえらいね!なんて言われた事もあるが、そうではなくて、書かずにはいられない、が正しい。ある種中毒のような、ブログ…。


他にも友達はたくさん出来たけれど、やめると同時に友達関係も消滅した。ただ、ただ、寂しかった。

真剣にいろんな思いをやり取りしたけれど、それもブログあってこそ…そんな薄い関係だから、成立した友達関係だったのかな?とも思う。現実でなく、かと言って嘘でもなく。問いかけに返信はあるけど、拘束力はなく…。今、削除ボタンを押せば、全ての関わりが失くせる、そんな関係。


それでも、私は時々、soraくんを思い出す。隣で電車の吊り革につかまるこの人かもしれない…なんてことを思いながら。