ボスだって人間。 | 基礎研究者のブログ

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医学・生物学系の研究者のブログです。2012年9月からアメリカのニューヨークで仕事をしています。近況報告がてら、仕事、育児について書いています。

12月27日の日記

 

これは僕にとって、「上司を理解する」という意味で忘れがたい経験になったので、忘れずに日記にしようと思っていました。

 

ボス主催のホリデーパーティでは、いつもボスの子供達と仲良しにしている長男くんと次男くん。今年のパーティでも一緒にご飯を食べて、ボスからも可愛がってもらって、楽しそうにしていました。加えて、僕自身が子供と話すのが大好きなので、キッズスペースの子供達と楽しそうにしている姿を目撃されたからか、パーティ後、ボス宅に招待されました。

 

 

 

 

 

 

実は2年前にも誘われていたんですけど、その時はボスに対する不信感もあったりして、さりげなくネガティブな空気を出して断ってしまったんですよね。その後、ラボでいろんなことがあって、ボスに対する印象が少しずつ変わりつつあったり、さらにはボスに助けてもらうことがたくさんあったりして、今年は勇気を出して(笑)、「それじゃぁ、ぜひ一緒に遊びましょうよ」という流れになったわけです(想像してみてください。英語をろくに話せもしないのに、よりにもよって、なんで上司ファミリーと過ごさなアカんねんってな感じですよ。かなりの勇気が必要でした)。

 

 

まずはブルックリンミュージアムで思いっきり子供達に遊んでもらう作戦。長男のパパ友にオススメされていて是非一度行ってみたかったと場所だったのですけど、本当に楽しい場所でした。展示のレパートリーも広いし、子供達も楽しめるような設計になってるし。館内に子供達が走りまわれるような広間があるなんて、贅沢ですよね。

 

 

 

 

 

 

そして安定の、エジプトコーナー。ミイラの作り方って、子供達の間で絶対に話題に上がりますよね。僕も話した記憶ありますほっこり

 

 

 

 

 

 

長男同士、気があうのか、いつも一緒でした。そういえば、パーティーの時もずっと一緒にいたような。長男くん曰く、自分と似てるのだそうな笑

 

 

そのあとは「家で手作りピザパーティを楽しもう」ということで、ボス宅へ移動。ラボでは見ないボスの姿に、ちょっと驚きました。最初はあんなにめちゃくちゃに思えたボスも、家に帰ると良いパパしてるんだなーと思って、思わす写真を撮ってしまいました。やっぱり、ボスもラボと家では、違うスイッチが入ってるのかもしれませんね。ロボットみたいなボスの人間らしい側面を見た気がしました。

 

 

 

 

 

 

ボス宅はというと、想像どおり、デッカい家でした。地上地下合わせて4~5フロアくらい。かといって、豪邸という感じでもありません。家族5人が余裕を持って過ごせる、手頃な広さ、といった印象。無駄の嫌いなボスらしい。今年はデッカいクリスマスツリーを飾ったつもりでしたけど、ボス宅はちょっと次元が違いました滝汗

 

 

うーん、サイズ感、伝わりますかね??

 

 

 

 

 

 

 

どうやって運び入れたのか、どうやって飾ったのか、全て謎です。

 

 

三男くんのために、小さい子用のピアノを出してきてくれていました。

可愛いw。

 

 

 

 

 

家では、子供達が上のフロアで大騒ぎし、キッチンでは全てボス夫妻が食べ物の準備。僕たちはというと、ダイニングにちょこーんと座りながら、お話しするだけ。手伝うって言っても「ええから座っとけ」てな感じです。

 

 

で、庭には窯があって、生まれてはじめて、自家製窯焼きピザを食べました。いやー驚きました。

 

 

 

 

 

僕の唯一のお手伝いは、このピザ運び滝汗

 

 

 

なんていうか、日本とは違いますよね。もう少し僕たちにも参加させてくれればよかったんですけど、これもこちらの文化なんでしょうか? 僕たちの振る舞いがどう受け取られたのか、不安で仕方ありません(「あいつら、ほんまに何もせんかったでー」って思われてたらどうしよう、、)。

 

 

移動中から食事中に至るまで、ボス夫妻の育児と教育に関する意見を色々と聞かせてもらっていたんですけど、すごく勉強になりました。間違いなくお金持ちだし、必要なものはしっかりと買い与えているんですけど、持っているものには本当に無駄がなくて、おもちゃが溢れているようなこともない。子供達は両親が厳しいとは感じているようですけど(うちの長男くん情報)、それを悪い風には全く受け取っていない様子。もちろん、親子の関係もすこぶる良好。それって、僕たちにとってはとても難しいことなんですよね(実際、うちにはいらないものが溢れてるなーって思う)。いったいどうやって、親子の相互理解を構築しているのか、いろいろと教えてもらいました。もちろん正解なんてものはないわけですが。結局のところ、親のブレない方針が大事ってことに尽きるわけです。

 

 

ここで一つ、とても印象的だったのが奥さんの一言でした:

「私たちは、この家が家族にとってシェルターのような役割になってあげられるようにしたい。」

 

 

今振り返ると、この一言は、ボスに対する見方が変わる決定的なものだったように感じます。僕自身この3年半、外でいろんなトラブルに直面するたびに、不貞腐れて家にしばらくこもって、元気になってからラボに戻るというのを繰り返してきました。僕にとっても、家ってシェルターみたいなものなのかもしれません。もちろん、だからこそ、子供達にとっても、家がそのような場所であって欲しいという思いを漠然と持っていました。ただそれを、ここで明確な方針として聞くとは思っていませんでした。

 

 

ラボではここ2年ほど、いろんなトラブルがありました。多分、ボスもかなり疲弊していたんじゃないかと思います。ボスの態度が硬化したのも、軟化したのも、その時期と重なります。自分のラボで大きな問題が起こって、平然としてられる人間って少ないですよね。もしかしたら、奥さんはそんなボスをずっと見続けてきたのかもしれません。子供達があんなに素直で優しく育っていて、かつ親子関係がとても良いのも納得できたような気がしました。なんというか、ボスに対する印象がロボットから人間に変わった瞬間。

 

 

下から見ていると、ボスの苦労って見えにくいですよね。ボス自身が、見せないようにしているってのもあるでしょうけど。こちらはこちらで自分のことで手一杯だし、キツイ一言を浴びせられて受け流せるような大人でもないですから(要改善笑)。もちろん、だからと言って、こちらがボスに気を遣いすぎてしまってもダメなんです。ボスはボスで、ラボ運営を最優先するために時として冷徹にならないといけないわけだし、そこでナァナァな関係を構築しても困るのは下の人間ですから。ただ、信頼関係は必要ですよね。

 

 

これから僕のやる事がどう変わるってほどのものではないですけど、ボスに対する信頼は以前よりも深まりました。いやほんと、今まで生意気言ってゴメンなさい笑

 

 

誤解のないように言っておきますけど、相変わらずボスは激しく厳しいです真顔

 

 

 

最後に、三男くんへのプレゼント。

イエローキャブ。

これも可愛いw