実は現在、風邪をひいて自宅療養中。最初は風邪をひいても「この忙しい時に、風邪さんに負けるわけにはいかぬ」と思ってラボに行ってたんですけど、久しぶりに熱が長引いたので、観念して自宅で寝続けることを決意(厳密に言うと、妻に説得された)。それでここ4日間ほど、ずーーっと家で寝ていました。
それで再発見したんですけど、、やっぱ寝ると回復する!!
考えてみたら、ここ数ヶ月、ここまで仕事を休んだ日はなかったですね。最低限、培養細胞のメンテナンスだけでもしなきゃいけないし(それが多かったりするわけですが)。振り返ると、年末年始もホリデーも含めて、休みは本当に少なかったし、連休を取った記憶がない。
特に今年に入ってからは、気が張りっぱなしで仕事を詰め込み過ぎていました。そこへ、2月に入ってからは家族全員が風邪のリレーをスタート。ニューヨークでは小学生が一人で出歩いてはならないことになっているので、妻が自宅で看病、僕が子供達とそれぞれの学校へ連れていってから出勤。午後2時半になると子供達を迎えに行き、5時には再びデイケアの三男くんをピックアップに行くという感じ。で、妻に任せていた仕事を僕が請け負って、、、という感じでした。
悪いことは重なるもので、仕事上の大きなトラブルも発生。苦労して作った全リバイス実験サンプルのRNA抽出を、時間がどうしてもないので迷った末に、テクニシャンにお願いしたんですよ。その数46サンプル。
そしたら、、、、
まさかの全滅。。
(RNAがデグッてた。。)
悪い予感はしたんですよねー。だからアメリカでは(あ、これはうちのラボ限定??)テクニシャンに頼りたくなかったんですよねー。
で、やむなく全実験をやり直し。人件費を差っ引いて60万円くらいするわけで、今回ほど金持ちラボにいたことをありがたく思った日は有りませんでしたよ。公私共に状況が状況なだけに、頭が真っ白になりました。で、やむなく全実験をやり直し(もちろん、妻の助けなしで、、)。
余談ですが、アメリカではこういう時に怒ったり責めたりしてはいけません。勤めて笑顔で、でも、困ってしまったことも伝える(でないと、問題を認識できない人間がいる。いやマジで)。で、問題解決のための具体的な話をする。この3年間、多くの失敗とともに学んだ僕なりの最善策です。
ちなみに2回目は僕の慣れもあって、半分の時間で達成。イエーイ
もちろん、今度は誰にも頼まなかった
そうこうしているうちに、病人と濃厚接触し続けていた妻も発熱。
で、最後に僕もアウト
典型的な、幼児を抱える家庭のパターンですね
それにしても、家族が一緒に働くのって、こんなデメリットがあるんですね。
一人が休むと、仕事が2倍どころか、子守を含めて5倍くらいに増える。
もちろん、以心伝心で仕事できるとか、コミュニケーションが取りやすいとか、出勤時間をフレキシブルにできるとか利点もいっぱいあるわけですが。いいとこばかりではない、という意味です。実際、僕がこれだけ長く休めるのだって、妻が育児から細胞のお世話まで全部請け負ってくれているからですしね。
最初は不安で休んでられなかったんですけど、観念して寝ていると、ふっと悟ったような気持ちになることができました。
これでリバイスがダメならダメで、それを受け入れるのも大切かなー、なんて。何かに執着しすぎると、物事の本質を見誤ることもありますから。勘違い論文とか、できれば出したくないですよね。そんなことも、ここ数年(!)は忘れていたかもしれません。
よし。
寝よう。