朝鮮半島の東南隅にあった新羅は6世紀頃から急速に力をつけ、7世紀に入ると中国の唐と連合して660年に百済を、668年には高句麗を滅ぼして三国統一を成し遂げました。統一直後は百済や高句麗の旧地の領有などをめぐって唐との戦いもありましたが、ついには唐軍を大破して追い出し、朝鮮半島の支配権を確立しました。これによって約700年にわたる三国時代は終わりを告げ、統一新羅時代が幕を開けます。本章では、この時代の美術の様子をみていきます。
Movie1・・・石窟庵 -ブッダガヤの釈迦成道像-
Movie2・・・仏国寺 -地上にあらわれた仏の国-
Movie3・・・聖徳大王神鐘 -統一新羅時代の梵鐘-
Movie4・・・南山の仏跡 -新羅人の美意識と宗教観-
Movie5・・・新羅の石塔と浮屠
石窟庵は統一新羅時代の石窟寺院です。石窟庵本尊の如来坐像はインドの像を意識してつくられました。石窟庵とともに建てられた仏国寺は木造建築や石塔、金銅仏など当時の仏教芸術の極みです。聖徳大王神鐘はエミレ鐘とも呼ばれ、高さ3.75メートルに及ぶ韓国最大の梵鐘です。感恩寺東西三層石塔は新羅で流行する石塔の典型となり、やがて仏国寺の釈迦塔にいたって韓国石塔の完成をみました。