4章季節感に見られる時間のデザイン | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

第3章の観点から日々の暮らしを振り返ると、「時間のデザイン」は身近な日常に多様な方法で埋め込まれています。 この点について、本章では、いくつかの例を取り上げながら考えていきます。具体的には、【いま】生きている人々が、過去の出来事を【いま】の視点から取捨選択し、改めて組み替えてつくった物語が、「季節感」や「季節の風物詩」といったかたちで私たちの日常生活に数多く埋め込まれている点について、考察を試みます。 

Movie1・・・季節と季節感の違い 

Movie2・・・桜のもつ近代的季節感 

Movie3・・・季節の風物詩と消費行動 

Movie4・・・「風物詩」の演出史 

Movie5・・・季節感に埋め込まれた近代

 

日本には季節感という時間のデザインが日常に埋め込まれており、それが 伝統的なものと考えられています。しかし、季節感の象徴である桜の開花で指標となるソメイヨシノは、江戸時代後期に人工的につくられた品種であり、またお祭に見られる市(いち)も、宗教的な世界観を背景にしながら、実際には消費行動をつうじて季節感が醸し出されています。そしてそのような行動は、都市生活、つまり近代と密接に関連しているのです。