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よ~く考えてみると・・・

不動産投資の話題を中心に、日々の雑感やニュースに対して思ったこと、何か思いついたアイデアなど適当に。

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先日、行動する大家さんの会(AOA)の勉強会に参加した。

講演は2つあった。


今日は、そのうちの一つの全国賃貸住宅新聞の編集長の話のうち、

「賃貸住宅参入者の9割は相続対策・節税対策である」という話について、

このような業界であることによって「誰が得をして誰がその分を負担しているか」

について考えてみたいと思う。



本来、市場は効率的なものである。

供給者が増加し、供給量が増加すれば、

価格は低下し、供給者の利益は減る。

それにより、供給者の新規参入は抑制され、

供給量が適正な量に落ち着き、価格も適正に戻る。


賃貸業界ではどうか。

賃貸住宅の供給者はその多くが、土地の相続対策のため

アパートを建てて「資産評価」を下げ、相続税の節税を狙う人々であるらしい。

(おそらく所得税の節税目的の人もいると思うがそれほど多くない。)

そして、これらの人々はアパートの運営をあまり積極的には行わず、

多少の空室などが出ることはあまり気にしない。


普通の市場参加者であれば、アパートを建てることによるデメリットと、

アパートを建てることによるメリットを比較して、

メリットの方が大きければ建築し、デメリットの方が大きければ建築しない。


節税のためアパートを建築した彼らは、

勉強も努力もせず、様々な運営活動を行わずに、

様々な損が出たとしても、あまり気にしない。

それは、相続税対策の利益のほうがそれら運営損よりも

はるかに大きいためである。

また、運営に関して様々な行動をするコストも非常に高いと思っていると考えられる。

一般的には彼らはお金持ちなのだ。

小銭のために様々な行動を起こすことは面倒だし、

もしかしたら本業でもっと稼いでいるため、賃貸の運営業務は利益率が悪いのかもしれない。

彼らは彼らなりに合理的な行動をしている。



さて、

そのような業界では、この「相続税のゆがみ」によって損をしている人と得をしている人がいる。

得をしている人は、言うまでもなく土地持ちでアパート建築をしているお金持ちの彼らだ。

相続税の仕組みが、「アパートを建てても建てなくてもあまり変わらない」のであれば、

わざわざアパートを建てる必要がない。

わざわざ建てるということは、相続税対策に非常に大きな金銭的メリットがあるためだ。

相続税のゆがみによって、彼らは大きな金銭的利益を手にしている。


また、もしかしたら賃貸住宅の入居者の多くもメリットを得ているかもしれない。

相続税対策の利益度外視の参入によって賃料が低下し、安い賃料で入居できている。


また、一部の不動産屋は、こういったお金持ちを相手に、

売買案件の情報を得て、仲介をすることで利益を上げている。

彼らは特にコストカットをするわけでもなく、新しいサービスを考えるでもなく、

単に「利益をあまり気にしない金持ち」とつながっているだけで利益を上げている。


さて、

一方でこの利益分を負担している人は誰だろうか。

これはおそらく、たくさんいる。


・利益度外視の参入による賃料低下によって利益が減っている一部不動産関係者

・効率的な運営が行われないことによって、低レベルのサービスしか受けられない賃貸居住者

・土地の売買が行われずに、有効活用が妨げられている住民

・金持ちから税金を取り損ねている政府(つまり、国民全員)


さらに、

このように非常に非効率な市場が出来上がっていることによって、

不動産業界の発展が阻害され、国全体としては非常に大きな損をしている。

特に、お金持ちののらりくらりとした運営が淘汰されないという罪は大きい。

その結果、やる気のある、新しい可能性を持った事業者が育たない。

近年の日本の若者の間に蔓延する閉塞感をもたらしている原因の一つだろう。


アベノミクスの第3の矢として成長戦略(規制緩和)と言われているが、

その第3の矢のうちの一つにこの「相続税のゆがみを正す」ということを

やってみてはいかがだろうか。

現金で相続しても、土地で相続しても、アパートで相続しても

どれで相続してもそれほど税額が変わらないようにすればいいだけだ。

(完全一致である必要はない。単に、「絶対に○○が得」という状態でなくせばいい。)

(「証券で持つと得」というのはありかもしれない。少なくとも「不動産が得」というよりは。)

おそらくそれほど難しい話でもないだろう。

たったそれだけの対策を行うだけで、

無駄なアパート建設は減り、市場で適正な競争が行われるようになり、

サービスは向上し、賃貸に住む人は増え、

賃貸業界の利益が増大し、賃貸市場から得られる税収も増える。

税金対策で土地を無駄に保有することも減り、

様々な土地が有効活用されるようになり、住みやすい街になる。


こんないいことはないだろう。


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このブログでは、

適正家賃ドットコムで開催する不動産投資セミナーの内容を紹介していきます。


最初のテーマとしてサラリーマンがなぜ不動産投資を考えるべきなのかついて述べました。


その記事はこちら↓

サラリーマンのあなたがなぜ不動産投資を始めなければならないのか(1)

サラリーマンのあなたがなぜ不動産投資を始めなければならないのか(2)
サラリーマンのあなたがなぜ不動産投資を始めなければならないのか(3)

サラリーマンのあなたがなぜ不動産投資を始めなければならないのか(4)


次に、

「不動産投資の具体的進め方と副業としての特徴」について述べました。


その記事はこちら↓
不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(1)

不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(2)
不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(3)
不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(4)
不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(5)
不動産投資の具体的な進め方と副業としての特徴(6)


今回からは、不動産投資における「賃料」の重要性について述べます。

また、その賃料を決めるために必要な「家賃相場」を

どう見ていけばいいかについて、考えていきます。

今回はその第四回目です。


これまでの記事はこちら↓

賃料の重要性と家賃相場の捉え方(1) --なぜ賃貸物件の募集戦略を考えなければならないのか--

賃料の重要性と家賃相場の捉え方(2) --どのように募集戦略を考えるか--

賃料の重要性と家賃相場の捉え方(3) --不動産賃貸業における賃料の重要性--


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前回までで、募集戦略の考え方や、

不動産賃貸業における賃料の重要性について述べました。

今回は実際の現場における不動産賃貸業の家賃の設定のされ方を見ていきます。


不動産というものは、

同じ物件というものはありません。

同一の建物の同じフロアの部屋であっても、

日当たりの条件や建物における部屋の位置などにより、

多少なりとも違いがあるものです。


賃料を決める際、

同一物件の過去の賃料を参考に決めることがよくあります。

同一物件の過去の賃料であれば募集賃料を決めるのに最も参考になるからです。


しかし、前回いくらで成約したかという情報は非常に重要な情報ではありますが、

前回の賃料をもとに今回の賃料を決めるためには、

非常に大きな壁を二つも乗り越える必要があります。


その壁のうちの一つは、

時間の経過による条件の変化です。


賃貸物件は、1年の間でも季節により成約しにくい時期もあれば、

成約しやすい時期もあります。

また、数年経過していれば、近隣の相場も変化しているでしょうし、

物件そのものの絶対的な価値も変化していることがあります(建物や設備の劣化など)。

また、周辺物件の構成の変化や、社会の嗜好の変化により、

物件の相対的な価値が変化していることもあります。

それだけでなく、周辺の店舗構成や街の雰囲気などが変化していることもあります。


このように、

たった数年が経過するだけで物件の価値は大きく変化します。

(もちろん、それぞれの変化が相殺し合って全体としては変化していないこともあるでしょうが。)

このような多岐にわたる変化を総合的にとらえ、

賃料の変化量を計算することは不可能ではないにせよ、

非常に難しい作業であるということは異論がないと思います。

もちろん、長い経験を積んだ不動産屋さんであれば、

これをうまく織り込んで賃料の増減を計算できる方もいるでしょう。

しかし、不動産屋さんであれば誰でも正確に計算できるとは到底考えにくいです。

※大家の方であれば、不動産屋さんの査定による賃料で、

 入居者がなかなか決まらなかった経験をお持ちでしょう。


もう一つの壁は、アンカリング効果です。

アメリカである実験が行われました。

不動産鑑定士を20~30人ほど集めて、

その人たちをランダムに半分ずつのグループA,Bに分けました。

そして両方のグループの鑑定士の人たちそれぞれに、

ある同じ物件の売り価格の査定をしてもらったそうです。

ただし、Aグループには現在の売り出し価格は65,900ドルという情報を与え、

Bグループには現在の売り出し価格は83,900ドルという情報を与えました。

その他の情報は全く同じものを両グループに与えました。

そしてそれぞれのグループのそれぞれの鑑定士に査定してもらった価格の、

グループごとの平均値を取ったところ、

Aグループ:67,811ドル

Bグループ:75190ドル

となったそうです。


この数字を見て、驚く人は察しがいいですね。


これが意味するところは何かというと、

「鑑定を仕事とするプロ中のプロですら『売出し中の価格』という、

査定には全く関係ない数字に査定の数字が影響を受ける」ということです。


さらに、驚くことに、

査定を行った鑑定士に『査定に売り出し価格を考慮しましたか?』と尋ねたところ、

9割以上の鑑定士が、「考慮していない」と回答したそうです。

つまり、鑑定士たちは「売り出し価格は関係ない」とわかっていながら、

売り出し価格に影響を受けてしまっているということです。


こういうことが鑑定のプロにですらあるのですから、

街の不動産屋さんにも当然あると考えるべきでしょう。

もちろん、それを見る大家さんにも当然あると考えるべきです。


このように、最も参考になるはずの情報である

「前回いくらの賃料だったか」という情報も、

賃料設定のための情報としては、かなり力不足であることがわかります。


そしてその力不足の情報をもとにした場合、

アンカリング効果によって、

とんでもない賃料設定をしてしまうことが良くあるのです。


今回は、賃料査定の難しさについて述べました。

単に考慮すべき情報が多いというだけでなく、

アンカリング効果などもあり、人の手による査定では

大きくずれた査定をしてしまうことがあるということについて述べました。


では、より正しい賃料査定を行うためにはどうすべきなのでしょうか。

次回はその方法について述べます。


つづく

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