もひかん林檎物語 16

葉取らず林檎なのに、なぜ、もひかん林檎は赤いのですか?

 

 

工藤さんがJAに出荷する林檎はいまだに林檎の周りの葉を取らないと出荷できません。

 

葉を取れば、光が当たり、赤くなります。赤いリンゴは視覚的にも美味しく見えますが、工藤さんは葉を取ると樹にも林檎にも良くないし、美味しい林檎ができないと言われるのです。

 

葉取らずリンゴは、最近、スーパーでも売られるようになってきました。葉の形が残っていたり、赤くなっていない部分があったりするのですが、葉取らずリンゴとして価値を与えるために、リンゴに葉の形のテープを貼って、葉の形が残るようにして、葉取らずリンゴとして出荷している農家もあるのです。

 

今年度のもひかん林檎のパンフレットを作成している時に工藤さんから、「うちの林檎は葉取らずですが、赤くなるので、葉取らずだと思っている方に誤解を受けませんか?」という相談がありました。

 

10月後半から11月のもひかん林檎は、無肥料で栽培されているので、林檎が熟してくる頃には、樹が肥料切れを起こし、葉が先に落ちてしまい、林檎に日の光が当たり、さらに赤くなるのです。

 

 

 

林檎が赤くなるのは、熟して、窒素肥料分が抜けるということなのです。過剰に肥料を与えられたリンゴは、赤くなりにくく、窒素肥料過多による健康被害も引き起こします。無肥料のもひかん林檎は、窒素成分が過剰でないために、美味しく、安全で、赤くなりやすいのです。

 

しかし、工藤さんの栽培方法をリンゴ農家が簡単に取り入れることはできません。無肥料、減農薬に耐える林檎の樹にするには、少しずつ肥料や農薬を減らさないと木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」のように、樹が耐えられず、9年間も、花が咲かなくなるのです。

 

そのため、長年に渡って、多肥料、多農薬で栽培してきた大規模リンゴ農家ほど、大量の肥料と農薬を使わざるを得ないのです。

 

工藤さんは26年前から少しずつ肥料を減らし、減農薬に努めてきたのですが、リンゴ栽培農家からは、その栽培方法を批判され続けてきたということも事実です。しかし、工藤さんは安心・安全な美味しい林檎を作るために、自然の驚異や病虫害、社会上今日と戦いながら、自分の信念を曲げずに、林檎栽培を続けています。

 

「もひかん林檎」の美味しさと安全性の秘訣は無肥料、減農薬、葉取らず、樹上完熟、そして徒長枝を有効利用した栽培方法にあるのです。

 

 

 

 

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