もひかん林檎物語  9)切り上げ剪定                   

 

樹上完熟、無肥料、減農薬、草生栽培のもひかん林檎は、工藤さんの農園に訪れた道法正徳氏との出会いから始まる。広島県のレモン農家だった道法さんは今までの農法指導に疑問を感じ、切り上げ剪定という今までの常識とは180度違った農法にたどりつきました。

道法さんのHP http://greengrass.co.jp/profile.html 

 

切り上げ剪定とは通常の逆の剪定方法で、慣行農法では樹木を弱らせた方が良い実が成ると云う事が基本になっている(樹が子孫を残そうとして花を咲かせ、実をつける。)ので必然的に肥料や農薬を使わざるを得なくなります。道法さんの切上げ剪定は真逆で樹木を元気にした方が良い実が成り、肥料も農薬も要らなくなるという理論です。

 

工藤さんも「奇跡のリンゴ」の木村さん(自殺しようと岩木山に死に場所を求めて、さまよっていた所、どんぐりの木が元気に育っているのを見て、自然農法を思い立つ。)のように、林檎の木を植え替えようと伐採して、何の手入れもしていなかった林檎畑の中に一本だけ残された林檎の木に虫も病気もついていないのに気づきました。

http://ameblo.jp/mkuri/entry-12161470247.html

 

道法さんの農法は、「チッソ・リン酸・カリ、は必要ない。必要なのは植物ホルモン。成長ホルモンのオーキシンとサイトカイニンが働くようにすればいいだけ」オーキシンは成長部分で作られ、植物体内を移動して根を伸ばす働きがあり、サイトカイニンは根の部分で作られて、生長点に移動し植物の成長を促す作用がある。オーキシン・サイトカイニンともに植物の成長を促す植物ホルモン。これらの働きをうまく利用するのが切り上げ剪定なのです。
 

この剪定をすることにより、林檎の木の枝が立ったようになります。これが、まるで

モヒカン刈りのように見えることから、工藤さんはもひかん林檎と名付けたのです。

    
   
 
 

 

 

 

 やがて実をつけた枝は、その重みで、下がってきます。これがもひかん林檎樹形です。

http://ameblo.jp/mohikan-apple/entry-12202941312.html

 

11月のもひかん林檎は無肥料なので、気温の低下と肥料切れにより、収穫より先に落葉してしまいます。そのため、林檎に陽が充分に当たるのです。一方、葉取らずリンゴの中には、シールを貼って、葉の形をつけたり、また、着色促進剤やリン酸肥料、アミノ酸を樹にかけたりして、熟成させて、リンゴを赤くしている農家が多いのです。(ジャガイモを作っている大規模農家でも、葉を枯らす薬剤をかけ、熟成を早めて、出荷しています。)アミノ酸というのは、旨み成分です。リンゴに調味料をかけているのと同じです。「リンゴは最後の最後まで薬漬けにされている。それが、今の農法だ。樹の生命力を活かせば、美味しい林檎はできる。」と工藤さんは言われています。

有機栽培も完熟していない肥料を使うと、畑の土を傷め、作物に硝酸性窒素が多くなり、人間に健康被害を与えると言われています。肥料を完熟させるには、4~5年かかります。有機肥料の作物だから健康に良いというのは誤りです。また、大規模農業では化学肥料に頼るしかないのです。作物に農薬を規定以上に散布して、最後に虫に食べさせ、有機栽培・無農薬と偽って、作物を売っている農家もあるのです。

青森県でも美味しいリンゴが採れると言われる白船層は、水はけが良いのですが、元々は肥えた地層ではありませんでした。明治時代以降、稲藁を肥料として、長年、少しずつ入れてきた結果、窒素分の少ないリンゴ作りに最適な土質になったのです。工藤さんは、「減農薬、無肥料、葉取らず、草生栽培、徒長枝の有効利用、樹で完熟」というもひかん林檎を生み出しました。下草を生やすことにより、虫に住処を与えると、樹に虫が上がってこないので、減農薬が可能になりました。

 

https://files.acrobat.com/a/preview/68103d65-fc11-409b-84ac-449cb7c95074