Facebook友達 増山 麗奈さん

某医療雑誌に 寄稿する原稿 の原案 ブラッシュアップして 文字量を減らします。
私には12歳と8歳になる二人の娘がいます。10年前、娘を授かる1年前、私は戦火のイラクへ行きました。劣化ウラン弾による放射能被ばくの影響によって急増している白血病に苦しむ8歳のムスタファ君と出会いました。ムスタファ君は髪の毛が抜け、とても痩せ年齢よりもずっと幼く見えました。資金不足で満足な治療薬を用意できない病院で、我が子を心配そうに眺めるお母さんやお父さんたちの姿が胸に焼き付きました。
イラクに行った事は私の人生を大きく変えました。記録の映像を撮影してくれていた男性と恋に落ち、新しい命を授かったのです。彼はイラクに7回通う戦場ジャーナリストでした。大きなお腹を抱えながら劣化ウラン弾について調べました。イラク国内で多くの新生児が先天性異常をもって生まれてくること、帰還米兵の尿からもウランが検出され、帰国後パートナーとの間に授かった胎児に異常が見つかったことを知りました。

「私が授かった赤ちゃんは大丈夫かしら」不安を抱えながら次女を出産しました。分娩室でギロリと私を睨んだ赤ちゃんは、イラクで出会ったムスタファ君と同じ年齢に成長しました。
「かきくけこ」の発音が苦手だったり、何度言っても時計の読み方を覚えられなかったり、身長が低いことを思うたび、考え過ぎかも知れませんが、脳裏に劣化ウラン弾のことがよぎりました。そのたびに彼女の生命力を信じ、愛を注ぎました。根気よく発音や勉強を教え、原発事故以降は放射線の少ない地域に移住し、安全な食材でお弁当を作り、よく笑いました。いつの間にか発音はなおり、自然が大好きな少女はすくすくと育っています(少々ずる賢いところがありますが)。
福島の原発事故によって放射能による健康被害や出産への不安が身近な問題となってしまいました。福島や東日本一帯、内部被曝をふくめたら日本中、海洋汚染を思えば世界中の人たちにとって他人事ではありません。もしこの原稿を読む医療関係者の皆さんや、読者の皆さんの回りで「ひょっとしたら」と思う被害が起きたら、どうか目を背けず、治療や、被ばく回避の対応を続け、相手に愛を注ぎ、細胞の再生を信じてあげてください。

そして次世代への被ばくを少しでも減らすこと、核によるエネルギーも兵器も使わない社会を子ども達に届けることが、大人達の義務だと思うのです