老老介護、苦悩の末に… 悩み抱え込み、絶えぬ殺人

 65歳以上の高齢者が同年代の配偶者らを介護する「老老介護世帯」で起きる殺人事件が後を絶たない。介護する側が苦悩を抱え込んでいることが一因とみられ、専門家は「社会全体で対策に本腰を入れなければ、悲惨な事例が繰り返される」と警鐘を鳴らす。

 警察庁によると、65歳以上の高齢者が同年代の配偶者を殺害した事件のうち、動機が「介護・看病疲れ」だったものは平成22年の21件をピークに減少しているものの、23年に15件、24年にも14件起きている。

 厚生労働省の22年の国民生活基礎調査では、65歳以上同士で介護し合っている人の割合は45・9%、75歳以上同士は過去最高の25・5%だった。担当者は「団塊世代が65歳に達するようになり、老老介護世帯はさらに増える」と危惧する。

 介護する側の負担も際立つ。同調査では「家族の介護にストレスを感じている」と答えた割合が70歳以上の男性で64・3%、女性では78・2%に上った。

 捜査関係者によると、片桐健躬容疑者は妻の早智子さんに以前から「殺してほしい」と頼まれ、お互いに「一緒に死のう」と話していたが、手伝いに来る長女やホームヘルパーには秘密にしていたという。

 日本福祉大の湯原悦子准教授(司法福祉論)は「高齢者は『子供たちに苦労を味わわせたくない』という意識が強く、介護の悩みを打ち明けられずに思い詰めてしまう。行政、捜査機関を含めた情報共有の仕組みが必要だ」と指摘する。

産経新聞 7月28日(日)7時55分配信






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