オネアミス王国(王立宇宙軍 オネアミスの翼)

架空の国。名前通り王政だが画面に出てくるトネス殿下は重病の国王の代行をしているという立場である。

80年代後半に色々なロボットアニメが乱立していた頃に、ロケットを打ち上げるという一見地味なテーマで望んだ作品。

興行収入自体は振るわなかったが、当時のアニメーションの粋を尽くして作られた絵とミリオタ好みの飛行機や戦車、練り上げた人間ドラマなどで今でも根強い人気を誇る。

 

小説では・・・

これは、我々の住む地球と、非常によく似た惑星での物語である。時は、遠い昔なのか、現在のことであるのか、それともこれから起こることなのか、定かではない。文化水準は、地球でいうと1950年代ぐらいであろう。この星も、地球と同様に、独自の歴史と文化を持ち、何度かの繁栄と、また、戦いを繰り返してきた。

舞台となる王国オネアミスは、敵対関係にある共和国と、冷戦状態で、いつ戦いが起きても不思議ではない―。

・・・と紹介されている。

北半球にある海の様にでっかいピッポウ湖を幾つもの国が囲むように林立しており、オネアミス王国はその一国。対立関係にある共和国は南半球にあり、王国と隣接するリマダという小国が属国になっている。

 

国内事情は良いとは言えず、失業者や浮浪者や浮浪児が大勢いるし、遊郭が異様に繁盛するなど、色々と問題を抱えているが、民主派の議員がデモを行うなど、特に言論弾圧が行われている様子はなく、最低限の自由は保証されているようである。

そんな国内事情のなか、オネアミス王国の「人を殺さない軍隊」宇宙軍は有人ロケットを打ち上げる計画を立てる。しかし上層部たる貴族がロケットをわざと共和国に奪わせて、共和国の侵略行為という既成事実を作って外交的に有利な条件を創り出すつもりで、発射場を当初予定していた陸軍の敷地内から隣国リマダとの国境の緩衝地帯(地球での非武装地帯)ギリギリに変更したのだった。

軍隊の装備は共和国と比べるとやや旧式だが決定的な差と言う程ではない。

しかし、空軍のプロペラ機「第三スチラドゥ」は共和国のジェット戦闘機と空中戦を互角に戦ってたが、恐らく陸軍は総崩れになっている。これは上記の理由で国境警備隊を増強しなかった為と思われるし、それを裏付けるように国境警備隊は多数のデコイを作っている。

水軍はシロツグを発射場の近くまで送った以外は活躍しなかった。

(ちなみに海軍と呼ばないのは、劇中世界の「地球」では、陸地と海の面積比が1対1で、ピッポウ湖は海ではなく広大な内水なため。)

そしてそんな大人の事情を無視してロケットは天高く舞い上がっていったのだった。

 

 

 

 

*こちらの世界で例えるなら大韓民国が38度線の真ん前で、あえてロケット実験を行って北朝鮮の侵攻を誘発するようなものであると言えば分かりやすいだろうか。まあ無いだろうが。