おしゃべりオバさん登場 | 猫より眠たがり

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出張の備忘録と、出張先での安泰な生活ぶりを日本に伝える緊張感のないブログです。
仕事仲間にばれないように、記事はアメーバ限定公開。
帰国中は記事の更新は行いませんぞ。(キッパリ)

成田12:00発バンコク行きのタイ航空に搭乗。
所要時間は5時間ちょっと。バンコクでの乗り換えでは3時間待ち、バンコクから最終目的地のラオスまでは僅か1時間、といった渡航。

3月には、総2階建てのA380もバンコク線に姿を見せていましたが、今回はその巨体は見られず、私が乗った12:00発の便も、A330へとひとまわり機体が小さくなった感じ。以前はB747だった気がする。タイの政治混乱のため渡航者が減少しているのでしょう。

私はいつも通路に面した座席を注文する。窓側の方が景色を楽しめるけど、トイレに行くときに通路側の席の方に気兼ねしてしまう。通路側ならば好きな時間にトイレに行けるし、食事の注文もCAさんに声が届きやすくて楽だから。

さて、今回は35C席でした。進行方向左側からA,C,D,E,F,G,H,Kと横に並ぶ座席のC席。CとDの間、GとHの間に通路があって、AC(通路)DEFG(通路)HKという配置の通路に面したC席。

搭乗して自席に座り、出発を待つだけの頃、CAさんも出発準備のため、客が荷物を適切な場所に収納しているかをチェックに回っています。すると、私の横の35D席のおばさんがCAさんを呼び止めました。60歳過ぎ、派手なメガネをかけた小太りな日本人(多分)

「私、質問があるの。あなた英語が判るかしら?」
「私の旦那はバンコクに暮らしていて、旦那も私も日本とバンコクを何度も行き来しているのね」
「機内持ち込み荷物のことなんだけど、タイから日本に来るときは10kgの荷物を1つ持ち込もうとしたらOKだったの。ところが日本では7kgまでと言われたの。旦那は荷物ひとつなら10kgまでOKと言ってるの」
「でも、成田では7kgまでを1つだって言われたのよ。そのくせ、他の客は沢山の荷物を持ち込んでいるじゃないの。なんで統一しないの?荷物の重さも測るべきよ」



出発前の安全点検や客の案内で多忙の筈のCAさん、客の質問を無視するわけもいかず、丁寧に相槌を打ち、そして「お客さんそれぞれに事情がありますので」と回答したものの

おばさん「私も薬を持ち歩いていて、預け入れ荷物にいれてロストしたら大変なので手荷物にいれているの…」

既に離陸前の緊急時の安全対策のビデオの放映も終わり、コクピットからキャビンクルーへのドアポジションのチェックの指示もとっくに出され、機体は滑走路に向けて地上を走行している状態。おばさんは喋り続ける。

『答えは目の前の機内誌に書いてあるじゃん。機内持ち込み荷物は、縦横高さの3辺の合計が115cm以内、重さは7kg以下のもので、エコノミークラスだと1個、ビジネスなら2個まで。ただし女性の化粧ポーチやハンドバッグや、PC用のカバンは別。空港の免税店で買った物も別。荷物が超過している客は、航空会社に見逃してもらっているだけ。同じエコノミーでもチケットの代金は正規料金や割引切符、ツアー料金などと違うので、サービスが一律になるわけないじゃん。こんなのCAに訊かないで地上係員に訊けよ、しかも今はCAが一番忙しい時だろ!』

と、(声に出すと巻き込まれて面倒なことになりそうなので)心の中で怒鳴っていると、前方からチーフが現れ、CAさんの肩を「ポンッ」と叩いて笑顔で退場を促した。そう、離陸が迫っており、CAさんも着席しなくちゃいけない時間。CAさん「後で」と一言を残して前方に去っていった。おまけに、離陸前の最終確認に来た別のCAさんには「シートベルトを締めて下さい」と注意される始末。おばさんは話に夢中でシートベルトを締めていなかったのね。

あー、こりゃぁ面倒なおばさんと隣り合わせになってしまった。
自分も機体預け荷物も機内持ち込み荷物も重量超過を見逃してもらっているクチゆえ、耳が痛い質問だもあったし。触れちゃいけない話題だよ。

機内アメニティで「清洲会議」を見つけ、イアホンをして映画に集中することにした。

やがて水平飛行へ。あちこちの席でバラバラとトレイで昼食が配られ始めた。
カートが出てこないところを見ると、ベジタリアン用とかの特別メニューを注文した旅客向けのよう。その頃、トイレかどこかに立っていたおばさんが席に戻ってきた気配がした。

すると「トントン」と右肩を叩かれた。驚いてイヤホンを外しつつ右に振り向くと
おばさん「料理の選択はもう訊かれました?」

「まだです」即答してイヤホンを着けなおし、すぐに視線を画面に戻した。CAに訊けっての。

後方から昼食を乗せたカートがやってきた。
CAさんの間で、既におばさんは要注意人物にマークされた模様。私の横にカートを止めると、CAさんは真っ先におばさんに話かけた。メニューを確認するおばさんと男性CAとのやり取りが続く。先ほどの被害者の女性CAは姿を見せない。
CA「カレーです」
おば「タイカレーなの?スパイシーなの?チキンが入っているの?えっ?野菜?スパイシーなの?タイ製?他にはなにがあるの?
CA「サーモンがあります」
おば「サーモンの何?日本料理なの?タイ料理なの?焼いてあるの?」
CA「どちらでもありません。」
CAさん、皿の上のアルミホイルを剥いで実物を見せる。おばさんが何か発言。
CA「ダブルなんて私には判りません」

何を訊いたんだろ?両方とも寄越せっていったのかな?


CA「こちらで良いですか?良いですね?}
おば「あ、お水ちょうだい。ウォーター」
CA「お水は別のワゴンです。後からきます・・・・・・」
その後、私の周りの客に手早くカレーを配り、CAさんは逃げる様に姿を消してしまった。





ホイルを剥がすと、カレー登場。何カレー??



「清洲会議」は面白かったけど、睡眠不足がたたりうたた寝してしまい全てを観ることはできなかった。結末も解らずしまい。おばさんは度々席を立ち、また頭上の荷物入れがら荷物を出し入れしたり、毛布を掛け直したり横になったりしていた。落ち着かない。早くバンコクに着かないかなぁ。「清洲会議」が終わった画面を飛行情報のモニタに切り替えた。バンコクまで残り2時間10分と表示されている。

その頃、飲み物を入れたコップをトレイに並べてCAさんがやってきた。
水、アイスティ、りんごジュース、烏龍茶のなかから烏龍茶をいただいた私。映画が終わりイヤホンを外していたために隣の会話が聞こえてきた。
おば「バンコクまであとどの位かしら?」
CA「▽⊿◎★㌏✖」 (私、聞き取れず)
おば「あぁ、そう、1時間30分ね。」

CAさんは何と伝えたんだろう。早く降りてくれって感情を込めたのかな。モニターを点けろよ、残り時間も到着予定時刻も速度も高度も出てるからさ、と念じる私。
バンコクまではあと2時間10分ですよ。

映画は諦めて、音楽を聞くことにした。日本の音楽のうち、JUJUといきものがかりのアルバムを選択し、残り2時間10分を女性ボーカルの歌に浸ることに。

そこで前方より予想外のワゴンが登場。何かと思えば、到着前にデザートらしい。小さなカップに入ったバニラアイスと抹茶アイスからの選択。私と、私の窓側の隣席(35A席)の男性(この男性は、バンコクから乗り換えた先のラオスまでご一緒でした。しかもバンコクーラオス間も座席は隣り合わせ。窓側が好きな方のよう。作業着姿で、60歳過ぎのエンジニアだと思う)は抹茶を即決。続いておばさんの番。

おば「このアイス、どこ製なの?タイ製?日本製?」


赤ちゃんが機内で泣き叫ぶ方が我慢できるよ。