あらすじ(ネタバレなし)
どこにでもいるような普通の大学生ヒョンスは偶然ホン・グクファと出会い、互いに引かれ、酔って一晩を共に過ごす。目が覚めるとグクファは殺されていて、ヒョンスは殺人事件の容疑者となってしまう。絶望するヒョンスを見た弁護士のシン・ジュンハンは、事件の弁護を引き受けることにする。無罪立証のため孤軍奮闘するヒョンス。ヒョンスを信じてはいないが無罪を立証したいシン・ジュンハン。自分が見たことだけを事実とする警察と検察。それぞれの“正義”を守るストーリー。
簡単あらすじ(ネタバレあり)
大学生のヒョンス(キム・スヒョン)は友人のところへ行く途中、グクファと出会い、
一夜を共にする。
翌朝目覚めると、ベッドでグクファは死んでいる。
容疑者になってしまい、茫然自失状態のヒョンスに、
三流弁護士ジュンハン(チャ・スンウォン)が声をかけ、弁護を引き受ける。
(足のアトピーに悩まされて、痒そうだった)
定年間近で、成果を残して、良い所に天下りしたい刑事や・・・・
出世したい検事は、
状況証拠だけで、ヒョンスを犯人とし、起訴するワケです。
「僕はやってない!」って言い張り、自白してないんだけど・・・・。
で、裁判中、収監されてしまうんだけど、
その刑務所の中で、ヒョンスは、壮絶なリンチをされたりする。
チンピラ・ドゥシク!!こいつ、悪いヤツ!
(愛の不時着・ヴィンチェンツォでおなじみの、ヤン・ギョンウォン様が
今回は悪~いヤツで、光ってた!)
そんな中、刑務所を牛耳る男ト・ジテ(キム・ソンギュ)に目をかけられる。
(いやね・・・・あのね・・・この人、マジ、カッコいい!!)
裁判は、有名弁護士と、その部下がかかわってきたり・・・
するんだけど、司法取引に応じず、頑なに無実を訴えるヒョンスに、有名弁護士は手を引いて、
その部下と、ジュンハンで共同弁護をする事になります。
弁護する過程で、ジュンハンは、怪しい容疑者の存在を見つけるけれど、
それらを警察が調べていない事を不審に思うわけで。
結局、警察は、状況証拠だけでヒョンスを犯人にしたいのだと・・・。
けれど、肝心の犯人が分からない。
ヒョンスもまた、この過酷な刑務所の中で生き残らねばならないと、ジテの指南を受け、肉体的にも精神的にも強さを身に付けるのだった。
裁判は結局、ヒョンスが犯人であると決定づけ、無期懲役を言い渡す。
ヒョンスは、控訴せず、刑務所で生きていく決心をするが、
その矢先、ジテが、ドゥシクに刺されて、死んでしまう!!
ショックを受けるヒョンスだが、ジュンハンが真犯人を探し出し、刑務所を出ることとなる。
無罪となったヒョンスだが、身も心を変わってしまった彼は、
ビルの屋上に立ち尽くすのだった。
感想
いやぁぁぁぁ・・・・面白かったです。
久しぶりにイッキに観入ってしまった。
とにかく、みなさん言われるように、
キム・スヒョンの演技が素晴らしくって、食い入るように、観てしまった・・・・・。
前半の、泣き虫弱弱しいヒョンス・・・・
が、ジテに弟子入りして・・・
こんなに、凛々しく・・・・
闘える男に成長したワケですYO!
言葉少ないヒョンス君の心情を、見事に演じきったキム・スヒョン。
改めて、凄い俳優さんだと思いました。
そして、息を飲んだカッコよさ・・・・に出会ってしまった!!!
キム・ソンギュ様が、冷酷でありながら、「ヒョン」の温かさを醸し出す男を、
魅力たっぷり色気たっぷりに演じてて、
ファンになりました!
2022年私の四天王の一人になるやもですYO!
ヒョンスが一夜にして、奈落の底に落とされる過程は、リアルで、誰もが有り得る事なんだと、
恐怖しかなかったし、
刑務所の中での出来事は、目をそむけたくなるような場面の連続だった。
大学生ヒョンスの、普通の大学生なんだけど、
いまひとつシッカリしてなくて、楽しい事優先で、流れに身を任せるタイプ・・・
という点を、きっちりとキムスヒョンが演じていたせいで、けっこうなリアルさがあった。
そして、ジュンハン役のチャ・スンウォンさんもまた、父性を感じる演技も良かったし、
ヤン・ギョンウォンさんの、振り切った演技も、怖かった。
・・・・・という事で、役者さん達の演技が凄すぎて、もう、それだけで十分なんですけどね。
でも、全体的にとらえた時に、
やっぱり、脚本演出の中で、もう少し、深堀して欲しかった点がいくつか出てきたかな。
8話を10話にして良かったんじゃないの~???という感じです。
①ジュンハンの位置づけがよく分からない。
この弁護士さんは、三流で、儲け優先の弁護士なのか。
でも、見ている感じだと、そんな冷徹な弁護士のようには見えないし、
元奥さんが、熱が入ってる姿を見るのは久しぶり・・・って言ってるから、
きっと昔は熱血弁護士だったんだろうけど。
三流なのか、やる気がないのか、やる気が出てきたのか。
出てきたのなら、何故なのか?ヒョンスの何が、彼をそうさせたのか。
ヒョンスに声を掛けた時も、どちらかといえば、自然だったし、
こういう弁護をするタイプ・・・と言われた方が、ピンとくる感じなんですよね。
最後も同じように声を掛けてたしね。
②ジテの背景が分からない
これは、ジテが魅力あるからこそ、背景が知りたくなっちゃうんだよね・・・
このジテが、何故、ヒョンスに目をかけたのか。
「俺みたいになるな」と言うのは、どんな自分がイヤだったのか。
自分みたいになるな・・と言いながら、ヒョンスに覚せい剤を勧めたのは何故なのか。
③真犯人発覚までの過程の雑さ
最後はあっけなかった感じ。
どうやって、真犯人が寝ているグクファを殺したんだろう・・・というか、
殺す気になる?横で男が寝てるのに。
あるとしたら、浮気したから逆上して・・・って事なんだろうけど、
その辺が描いていないから、ちょっと、雑な感じがした。
そのシーンもだけど、
ヒョンスが、覚せい剤を持ち込んだと問われるシーンも、
最終的にどうやって、「自分じゃない」で逃げ通せたのか、描かれていないんだよね。
そういう、「無理そう」な所を、描かない狡さがあるんだよね・・・・このドラマ。
④刑事と検事へのスッキリ感がない
あれだけの事をしていて、罰がないって、どーゆー事なん???と思うんだけど。
そしてね、あの刑事もね。
何となく、定まってない感じがしたのよね。
元から、こういう刑事で、きちんと調べようとしなかったのか、
今回、引退前で結果を出す事に、自分を見失ってしまったのか。
見た感じだと、後者なんだけど、それなら、もう少し葛藤する場面とか必要だったのかな?って。
元からこういう刑事ってするのは、ベテラン臭がし過ぎて、
怨恨の線とか、一応調べると思うんだよね。
⑤理解出来ない演出
自分の理解不足なんだろうけど。
・裁判でヒョンスが欠伸をした事が、何故、あいつも変わろうとしてる・・・みたいな発想になるんだろう
・変わろうとして、たばこ吸いだしても、吸入器が不要になるとかね。
・最後あたり、ジテの1番弟子が怪我してたのは、覚せい剤持ち込みのため???
でも、結局、こういう違和感は、
役者さん達の演技の凄さから出る副産物であるとは思う。
演技の凄さに、脚本と演出が付いていっていない感じがするんだよね。
最後のシーン。
ヒョンスは無罪になったのに、浮かない顔。
彼は変わってしまったのだ。
ひょっとしたら、彼は、このまま人生を歪んだまま生きていくのかと危惧さえ覚える。
ビルの屋上で、茫然とするヒョンス。
遠くでサイレンがなる。
ヒョンス、自殺する???
ヒョンス、まさか、刑事と検事殺してきた???
(それも、アリやな!!とは思ったけどね)
・・・・と、落ち着かない最後だが。
このままだと、最後のシーンも、違和感?で終わったかも知れない。
けれど、ここで効いてくるのは、
ジュンハンと最後に交わした握手。
ジュンハンにお礼を伝えたヒョンス。
平凡な大学生だったヒョンスの欠片が残っている証。
彼は、きっと、日常を取り戻すと思う。
そういう、希望を思い起こさせてくれる、なかなか味のある最後だと思った。
ヒョンス&ジュンハン ヒョンス&ジテの絆の比較も、面白かったんだろうけど。
正直、ヒョンス&ジュンハンは、
&ジテと比べて、
その信頼関係が薄かったかな・・・と思うね。
もう少し、ヒョンス&ジュンハンの場面があっても良かったのかも。
色々書いたけれど、ま、
役者さんの演技に、脚本と演出が追い付いていない、ある意味、秀作であるという事は間違いない。
キムソンギュ様劇場
こちらも作品で出会った俳優さま。
キム・ソンギュ様・・・・
一目見た時から、虜になってしまった・・・・。
特にね、この2階から様子窺う所が、ツボ過ぎて・・・・
この二の腕がさ!
この見つめる視線がさ!!
LOVEです!!
目力が凄まじく、冷酷さと愛情が共存する、
魅力溢れる存在感が、半端なかったです。
もう、このジテ様で、スピンオフお願いしたいぜ。
キム・ソンギュ様は、
長らく演劇で活躍されてて、
最近になってドラマ映画に進出されたみたいですね。
「キングダム」とか「悪人伝」とか・・・・。
観てみよう~!!
という事で、長くなりましたが。
2020年最後の40本目の韓ドラ、「ある日」のレビューでした。
そういや、なんで、タイトル「ある日」なんやろ・・・・
ドラマ内の台詞でいうなら、「あの日」じゃないかな・・・と
気になったりして(笑)
<追記>
長いレビューを夜中に書いて、改めて観読み返したら、
相変わらず支離滅裂やな・・・・(笑)
それはそうと、「あの日」じゃないのかと気になっていたんだけど。
ひと眠りしたら、「ある日」の方がひっくりくるなぁ・・・と思った。
誰にでも来る、日常の一コマ。
そうなるはずの一日が、「あの日」になってしまう、恐怖。
まさに、あれと一緒じゃない??と思って、通勤の車内で歌ってしまったよ。
「あるぅ~日ぃ~森の中ぁ、熊さんにぃ~出会ああああたぁぁぁぁ~」
まさに、これだよね。
普通の「ある日」のはずなのに、出会ってしまった。
流れていくはずの日常が、「あの日」となってしまった。
裁判で繰り返される、「あの日」という言葉。
でも、その日も、始まりは「ある日」だったという事。
そういう恐怖や絶望が込められているのかな。。。と思ったね。
まぁ・・・ただの訳の問題かも知れないけどね~。