先日、ジョシュアがdhruvさんの'double take'をカバーし、動画を公開しました。

画像の引用元は記事末尾に記載

 

 ジョシュアの柔らかく滑らかな音の繋げ方や、時折見せる、ほろ苦さを感じながら絞り出すような声が、お洒落で大人っぽい曲調や歌詞の内容に合っていて素敵ですよね。

 

 恥ずかしながら私は今までこの曲を知らなかったのですが、この素晴らしいカバーを機に原曲を聴き、歌詞を読み、焦がれる気持ちを雲の形、街の壁画、星座などに見る表現や、(私は全然うまく訳せなかったのですが)“a summer or a lifetime”などの言い回し、メロディーの美しさに惹かれました。ところどころ踏まれている韻も心地良いですよね。ジョシュアのカバーから想像したのとは全く違った、ジョシュアとはタイプの違う美しい声もとても素敵です。

 

 既に多くの人が和訳なさっている曲ですし、私の拙い読解力や乏しい語彙では間違いや表現しきれない部分も多々あるかと思いますが、自分の言葉でも訳してみたいと思い、書いてみましたので、この記事に残しておきたいと思います。

 

 

 

 

 以下、訳です。私の解釈がふんだんに含まれてしまった部分もありますが、自分の解釈から意味を選択して綺麗な日本語を目指すというよりは、もとの文の語彙や時制をできるだけ残そうと努めました。

 

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Double Take 

 

I could say I never dare

To think about you in that way, but

I would be lyin’

君のことをわざわざそんなふうに考えるはずないと言えば

嘘を吐いていることになる

And I pretend I’m happy for you

When you find some dude to take home

君に家まで連れ立っていく誰かができたら

「よかったね」と喜ぶふりをする

But I won’t deny that

だけど もう否定しないことにする

 

In the midst of the crowds

In the shapes in the clouds

I don’t see nobody but you

人込みの真ん中でも

雲がつくる形にも

他の誰かなんて見えない 君だけが見えることを

In my rose-tinted dreams

Wrinkled silk on my sheets

I don’t see nobody but you

うっすらとばら色に染められた夢の中にも

シーツに寄ったシルクのしわにも

君以外 誰も浮かばないことを

 

Boy, you got me hooked onto something

どうしてしまったんだろう、こんなにもとらわれて

Who could say that they saw us coming?

誰が言い当てられただろう 二人がこうなるのを目にすることになるなんて

Tell me

教えて

Do you feel the love?

君はこの愛を感じる?

Spend a summer or a lifetime with me

一緒に過ごしてほしい 一夏でも 一生でも

Let me take you to the place of your dreams

君が夢見た場所に君を連れて行かせて

Tell me

答えて

Do you feel the love?

君はこの愛に気づいてる?

 

And I could say I never unzipped

Those blue Levi’s inside my head

言ってみようか 一度だって無いと

頭の中でそのブルーのリーヴァイスのジッパーに手をかけたことなど

But that’s far from the truth

だけど それじゃ事実とはほど遠い

Don’t know what’s come over me

どうしてこうなったのかわからない

It seems like yesterday when I said

“We’ll be friends forever”

昨日のことのように思えるのに

「ずっと友だちだよ」と言ったこと

 

Constellations of stars

星と星を繋いだ線

Murals on city walls

街の壁に描かれた絵

I don’t see nobody but you

君以外 誰の姿も見えない

You’re my vice, you’re my muse

過ちを犯させるのも 詩を湧き上がらせるのも君

You’re a nineteenth floor of view

まるで19階からの景色みたいな

I don’t see nobody but you

君だけが見える

 

Boy, you got me hooked onto something

どうしてしまったんだろう、こんなにもとらわれることがあるなんて

Who could say that they saw us coming?

二人がこうなるって誰に予想できたろう?

Tell me

教えて

Do you feel the love?

君はこの愛を感じてる?

Spend a summer or a lifetime with me

一緒に過ごせないかな 夏を、望んでくれるなら、人生を

Let me take you to the place of your dreams

君が夢見る場所に君を連れて行かせて

Tell me

答えて

Do you feel the love?

君もこの愛を感じてる?

 

Boy, you got me hooked onto something

どうしてしまったんだろう、君に心奪われた

Who could say that they saw us coming?

誰に見抜けたろう 二人がこうなることを?

Tell me

教えて

Do you feel the love?

君もこの愛を感じる?

Spend a summer or a lifetime with me

一夏でも 死ぬまででもいい 一緒にいて

Let me take you to the place of your dreams

君が夢見た場所に 君を連れて行かせて

Tell me

聞かせて

Do you feel the love?

君はこの愛を感じてる?

 

Do you feel the love?

Do you feel the love?

Do you feel the love?

Do you feel the love?

Feel the love

この愛を感じてほしい

Do you feel the love?

この愛を感じてる?

 

 

Lyrics by dhruv 

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《英文の解釈》

could(can)は可能性、潜在性のイメージを持った助動詞なので、I could sayは、「言うこともできるけど、言ったとしたら」という仮定的な意味かなと考えて訳しました。

 

But I won't deny thatのthatは、直前の文の内容を指すと考えると少し不自然な気がしたので、前の文ではなく、「君しか見えない」という趣旨の次の部分に掛かる接続詞のthatととらえて訳しました(I will not deny that …. =「私は…ということを否定しない」)。

 

サビのboyは、私は歌詞の主人公が自分でもやや戸惑っている感じや、タイトルのdouble take(「ふーん。…え?」という感じで、少し後になって驚くことや、いわゆる「二度見」してしまうこと)とも合わせて、間投詞のboy(「おや」、「まあ」、などの驚きなどを表す)として訳しました。

 dhruvさんがインタビュー記事でご自身がクィアであると明らかにしていることもあり、男性であるyouへの呼びかけとして訳されることもあるようです。

 ただ、私は、「主人公=dhruvさん」とは限らないと思うのと、また、「クィア」は性的マイノリティの総称であって同性愛者だけを指すものではないので、「男性同士の恋の歌!」と決めつけてしまうのも本人の意図から外れる可能性があると思い、歌詞の登場人物たちの性別を決めないことにしました。

 

※dhruvさんのインタビュー記事。

 

※クィアの定義。いくつかのサイトを参照し、こちらがわかりやすいと感じましたが、こちらも唯一の正解ではないかもしれません。

 

 というわけで、この歌の登場人物で性別がほぼ特定できるのは、some dude to take homeだけかなと思います。Dudeは多くの場合、男性に用いられます。でも、それも絶対とは言えません。

 

 Iとyouに関しては、聴く人がそれぞれ、自分や思い描くストーリーに重ねて、自由に思い浮かべる余地を与えてくれているのかなと私は思いました。

 男性を想定して書かれた可能性もありますし、性別を限定しない物語として書いたのかもしれませんし、また、この曲自体、例えばマジョリティが聴いたときに最初は間投詞としてとらえて異性愛の歌であると受け取り、後から「あれ…もしかして別の可能性もある?」とdouble takeするしかけになっているのかもしれません。それはこの歌を書いたdhruvさんにしかわからないことです。

 

 カバーを発表した6月がプライド月間ということや、パールのつなぎ目が虹色になっているネックレスをしていること、dhruvさんが自らクィアであると公になさっていることから、ジョシュアがこのカバーによりLGBTQ+への連帯を示しているのでは?という見方もあるようです。もしそうであるならば私もその姿勢、気持ちに心から賛同します。

 ただ、先述の通り、"boy"という言葉だけから「男性同士の恋の歌」と断定・限定して見ることや、ジョシュアもそう捉えて歌っていると決めつけることは、早計かなという気がします。

 

 私は性別が明らかに特定できる同性カップルの歌であれば、Mary Lambertさんの"She Makes Me Warm"がとても美しく、強く、あたたかく感じられて好きです。当事者ではなくまだまだ理解が不十分な私が安易に応援の気持ちを示していいものかと悩むこともありますが(この記事にも誤った見解や不快な言葉がありましたら、申し訳ないです)、こういったことについて、誰もが不当な差別や偏見を受けることなく生きられる世界に少しでも近づけるよう、私も考え続けていけたらいいなと思います。

 

歌詞が本当にきれいなので、リリックビデオも好きです。

 

 以上、最後は和訳から話が逸れてしまいましたが、dhruvさんのdouble takeの和訳でした!

 素敵な声を届けてくれ、私の知らなかった素敵な歌に出会わせてくれたジョシュア、ありがとう。

 また、SEVENTEENの作品の考察的なことで言うと、やっぱり今年はギリシャやローマの神話に出て来る神々や星座たちがキーポイントな気がします🌃 GOING SEVENTEENのタイトル画面も星座ですし…。今回のカバー曲に出て来る“ミューズ”も、芸術を司る、ゼウスの娘たちですから。

※Sector17とギリシア神話についてはこちら。

 

 それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

※その他の和訳記事

★BANDS BOY / Vernon 

bandsには指輪という意味も込められているのでは?という解釈についても書いています。

 

★Black Eye / Vernon

機械的な逐語訳と私の解釈を詰め込んだ超訳、2種類の和訳を掲載しています。

 

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