分野: 心理

評価: 3

 

東京大学の教授が、赤ちゃんの言語習得について解説する。

 

赤ちゃんはあっという間に言葉を覚える、ということがよく言われる。しかし、これは事実なのか。赤ちゃんの言語習得を研究する著者が、実際の調査などからこれまでに分かってきた習得プロセスを紹介している。結論としては、習得は簡単なものではなく、例えば幼いころから2ヶ国語を聞く環境下に置かれる子供でも、両言語の習得には多くの障壁や戸惑いがあるとする。

 

結論からは新たな知見を学ぶことができるが、調査方法も興味深い。赤ちゃんが視覚や聴覚から新しい物事を理解するときには、注視したり動きを止める性質がある。それを認知すると飽きて動き始める。教える単語の助詞や動詞を架空のものに変え、赤ちゃんの反応を観察することで、品詞ごとの習得プロセスが分かる。大人がもし赤ちゃんと同じ期間、同じ環境で新しい言語を習得しようとすれば、遥かに短時間でそれができそうであることも想像できた。

 

赤ちゃんは努力している。とはいえ、赤ちゃんは天才、という思い込みを持って育てる方が夢があるような気もする。

 

 

評価
  5:大変面白い、名作
  4:かなり面白い
  3:普通に面白い
  2:あまり面白くない
  1:全然面白くない