こんにちわ、もちこです。
突然ですが、あなたはジキル氏とハイド氏という小説をご存知でしょうか。
人間の善と悪が分離して二重人格になってしまうお話です。
非常に有名な怪奇小説なので、読んだことのある人も多いかもしれませんね。
実はこれを基にして作られた味わい深いゲームがありまして、それが今回紹介する 【ジーキル博士の逢魔が刻】 です。
1988年に東宝から発売されまして、機種はファミコン。横スクロールのアクションゲームです。
スーパーマリオブラザーズと同じくひたすら横に進んでステージをクリアしていくスタイルですね。
(ただしマリオとは色んな意味で比べ物にならない作品です)
このゲームを一言で表すと
【世の中はストレスだらけ】
です。
作中のキャラクターも、そしてプレイヤーであるあなたもストレスフルになること間違いなし。
そしてストレスがマックスになった時に、このゲームの面白さが出てきます。
■唐突に放り出されるところからスタート
まずこのゲームを始めると研究室にジーキル博士らしき人がおりまして、研究室から出ると何の説明もなく町に放り出されます。
これはもはや 【クソゲーあるある】 です。
【スーパーモンキー大冒険】 や 【ほしをみるひと】 でもお馴染みの展開で、クソゲー好きとしてはこの時点でぐっときます。
そんなことは良いとして、
とりあえず何かするんだろうなということで、そのまま歩き出しますよね。どうやら右に向かって進めばいいようです。
もうそこで驚きますが、とにかくジーキル博士の歩く速度が遅い。とにかく遅い。
優雅な英国紳士だからなのか、全く走る気配がない。
これもやっぱりクソゲーあるあるの王道仕様です。ゾクゾクとワクワクが止まらない。
■突然攻撃してくる英国の人々
コントローラーを握りつぶす勢いで押し込んで歩いていると、唐突に少年がウロチョロとジーキル博士の周りを走り回り、小さな弾を撃ってくるではありませんか。
私がお前に何をした? と言いたくなりますが、ジーキル博士にできるのは、ものすごくもっさりしたジャンプのみ。ぶっちゃけ全然避けられない。
でもジャンプした姿はかなり必死さを感じさせるので、きっとこれが彼の限界なのでしょう。
しかも少年だけでなく、なぜか街中に普通にいる爆弾魔までもジーキル博士を爆弾で狙ってきます。
なんで普通に爆弾魔いるの? 当時の英国ってそういうもんなの?
さらにタチの悪いことに、爆弾魔がいる時に同時に通行人がそこにいる場合、通行人もジーキル博士に突進して襲ってきます。
ジーキル博士がいた頃の英国の方々はそんなに凶暴なのかと思うかもしれませんが、これは一応理由があります。
爆弾魔が怖くて逃げようとした通行人が、勢い余ってジーキル博士にすれ違いざまぶつかっているのだそう。なんだそれ。
■ライフとストレス
普通のゲームだと攻撃されると、いわゆるHPやライフと呼ばれる体力が減りますよね。
でも、このゲームはちょっと違います。
最大の特徴であり面白い点として、ライフと一緒にストレスという値があるんです。
ジーキル博士は攻撃を受けると、ライフが減るかストレスを受けるかしてしまいます。
ストレスの値があるというのは妙にリアルですが、実はすごく重要なメーターなんです。
■ジーキル博士は無抵抗主義?
さて、実質敵しかいない世界なわけですが、ジーキル博士にも一応攻撃手段はあります。
英国紳士らしく、ステッキで前方をズビっと突くことができます。
ただ、これはなんと、爆弾魔や少年には効果がありません。
つまり一番倒したい相手は倒せません。
ステッキ攻撃が唯一効くのが道中で出てくる蜂のみ。蜂の他にも蜘蛛が出てきますが、蜘蛛には効かないという謎仕様です。
むしろ通行人をステッキでつついてしまうとジーキル博士がダメージを受けてしまうので、使い勝手が悪すぎる攻撃です。
※一応味方がいるにはいますが、
【回復+ストレス減る+コイン増える】 or 【ストレス増やす+コイン奪われる】
の二択がランダムで決まるので、純粋な味方とはいえないかも。
■ストレスが溜まりすぎると…
先程紹介したほかにも、この世界はとにかく敵が多いです。
- 爆弾魔
(最強の敵。実はエンディングに関係するキャラクター。爆弾の範囲が広すぎて避けるの激ムズ)
- 謎の少年
(実はちゃんと理由があって主人公を攻撃しているけど、作中では全く触れられていないため、プレイヤーからするとただただ邪魔なキャラクター)
- 通行人
(頼むからぶつかってこないで)
- 動物
(なんでみんなそんなにジーキル博士嫌いなの?)
- 蜘蛛と蜂
(蜂は唯一ステッキで倒せるけど、全然当たらない。つまりほとんど倒せないと同義)
- 音痴な人の毒電波
(下手くそなオペラ歌手らしく、♪をまき散らして攻撃してくる。ほぼ避けられない。
お金を渡すと大人しくなるけど、お金渡すまでがそもそも大変。ちなみにお金の使い道はここしかない)
- 喧嘩のとばっちり
(喧嘩ならよそでやってくんな)
- 猛烈な勢いで転がってくるタル
(なんで?)
などなど、それはもう凶悪なものだらけです。しかもほとんどの攻撃が避けづらい。
それに対してジーキル博士はのたのたと亀の歩みで、できることはもっさりジャンプとほぼ意味のないステッキ攻撃。無抵抗主義なの?
で、先ほども少し出てきましたが、ジーキル博士は攻撃を受けるとライフが減るか、ストレスが増えてしまいます。
ライフがゼロになるとゲームオーバー。
そしてストレスがマックスまで増えてしまうと、
なんとジーキル博士がハイドに変身してしまうんです。
■原作のおさらい
ここでジキル氏とハイド氏の原作を思い出してみましょう。
ジキル博士は人間の人格を善と悪に分けて、別人格を作り出す薬を開発していました。
そこで生まれたジキル博士の悪の人格がハイドです。
最初は薬を飲んでハイドとして道徳から解放された時間を楽しんでいましたが、そのうち薬が無くてもハイドに変身してしまうようになりました。
人格を戻すための薬を作ってみたものの、薬を飲む量はどんどん増えて材料の入手が困難になってしまいます。
徐々にハイド氏からジキル氏に戻るのが難しくなり……。
というのが原作のお話です。
この設定がゲーム中でも活かされていまして、ストレスフルな状態になるとジーキル博士はハイド氏に変身してしまうんです。
■ハイド氏強すぎじゃね?
変身したあとは、なぜか現実世界と鏡合わせの魔界のステージに変わります。
そこでは大量の化け物が襲ってきますが、ハイド氏はパンチとサイコウェーブという攻撃手段をもっていて、これで大体の敵はやっつけられます。
ただ、このサイコウェーブの軌道がものすごくクセがあるので、使いこなすのはなかなか至難の技。
で、魔界に行ったハイド氏が魔物を倒す度にストレス発散になり、ストレス値はどんどん減っていきます。
ストレス値がゼロになると、人格が再びジーキル博士に戻り、魔界から現実世界に戻って来れますよ。
また、ハイド氏からジーキル博士に入れ替わるタイミングで減ったライフが一気に回復するので、道中でジーキル博士とハイド氏を入れ替えながら進むことになります。
■ハイド氏でずっと進めばいいって?
ここまで読んできて、
「じゃあジーキル博士よりずっとハイドで進めば楽勝なんじゃないの」
と思った方もいるかもしれません。賢いですね、まさにその通りです。
ジーキル博士になった瞬間ストレス値をふやしまくり、すぐにハイド氏に変身して進めば、確かに楽そうです。
しかし、それは出来ないんですよ。
ジーキル博士とハイド氏の世界は鏡合わせになっていて、ステージこそ全く違う雰囲気になっていますが、ジーキル博士が進んだ場所以上にハイド氏で進んでしまうと、そこでゲームオーバーになってしまうんです。
■それで結局どこに向かってるんだっけ
ここまで読んでて、根本的な部分がごっそり抜けていることにお気づきでしょうか。
そうなんです。このゲーム、目的が何も語られていないんですよ。
ゲーム中で一切何も語られず、ジーキル博士はひたすら町や公園を歩き続けるのみなんです。
一応説明書にストーリーは書いてあります。その内容を要約するとこんな感じ。
【ジーキル博士は善と悪を分離させる薬を開発して研究していた。
普段は温厚なジーキル博士だが、悪の人格であるハイド氏になると眼と心に映る全てが醜く変わってしまい、自身も悪徳の限りを尽くす。
実験を重ねるうちに肉体と精神が蝕まれ、薬を飲まなくてもストレスによってハイド氏に変身してしまうようになった。
自分のコントロールができなくなった博士は婚約者ミリセントとの婚約も忘れて破壊行為をしてしまうようになってしまう】
大体こんな感じです。
このストーリーを見てもピンとこないかもしれませんが、要は婚約者のところに向かえよ、ということのようです。
凶悪過ぎるステージを潜り抜けた先には、一応それらしい展開が待っています。
ちなみに、このゲームはマルチエンディングなので、バッドエンドとグッドエンドの2種類あります。
■お手本のようなクソゲー
操作性の悪さに対して敵の攻撃が容赦ないうえに避け辛く、難易度は非常に高いです。
しかも全体的に単調なので、プレイヤーはジーキル博士以上に強いストレスを受けることになるでしょう。
だからこそクソゲーなのです。まさにお手本のように素晴らしいクソゲー。
ただ、原作を上手く利用したジーキル博士→ハイド氏への変身、ストレスというシステムはすごく面白いです。
今でこそ目新しく感じないかもしれませんが、このゲームが出た時代を考えると、かなり挑戦的で画期的だったといえますよ。
曲も何気に良いです。
【クソゲーはなぜか曲だけは良い】 というアノマリーのようなものがありますが、この作品もまさにそれに該当します。
ジーキル博士とハイドはどうなってしまうのか、果たして婚約者はどこにいるのか、ぜひあなたの目で確かめてくださいね。
では、今回はこのへんで失礼します。
最後まで読んでくださって有難うございます! また今度。
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