昨年9月に発売された『定点観測 新型コロナウィルスと私たちの社会』



著名人の方々が、それぞれに選んだテーマで半年毎に定点観測的記事を書くという。


この本は買ったほうが良い!と、瞬時に思い購入。

日々エビデンスと言われるものすら刻々と変化する新型コロナウイルス界隈の事を、その時だけ切り取るのではなく定点観測するという。

これはきっと何かしらの景色を見せてくれるに違いない。


その本の第二弾が、先日ついに発売。


5年日記の記入は2年目以降が楽しいように、この本も、第二弾が出てこそ良さが倍増。


果たして、期待通りの本だった。


第一弾で懸念されていたコロナ禍における『労働』も『ジェンダー』も『貧困』も、ほぼ変わらないどころか、更に酷いことになっている。

第一弾と併せて読む事で、悪化していく様がより分かり、考えさせられる。


誰もが「まさかこんなに長く続くとは思ってなかった」と言う。


「こんなに長く続くとは」を表す、印象深いエピソードを、先日耳にした。


伊集院光さんがラジオで話したエピソード。

TBSラジオの放送ブース前に、フロアー唯一の飲料自動販売機が置いてあった。

コロナ禍になり、密室は良くないということでドアを開放して放送するようになったことで、放送中に誰かが自動販売機を使うと、飲み物が落ちてくる音が入ってしまう。そのため「オンエア中により使用不可」との貼り紙がされるようになった。


そのフロアーの方々はオンエアの間中、飲み物が買えない状況がかれこれ一年近く続いていた、と言うのだ。


その自動販売機が、ついに場所を移動して、放送中も買えるようになった、と。


このエピソードが、まさに先述の本の冒頭と重なる。


私も含め、このコロナ禍は数ヶ月で何とかなると思っていた。

それがほとんど改善することなく、おかしいな?おかしいな?と思う内に日々は過ぎ…

これは短期戦ではなく長期戦なんだな…と、頭と体で理解するのに一年かかった、ということだ。


こんな話を聞くと、そのうちに…と先送りしてしまった色々を、今年は回収する年にしなくては、と改めて思う。

まずは、一年飛ばしてしまった人間ドックの受診をしよう。


コロナ禍になる入り口で、私にも印象深い出来事がある。

まだライブハウスでクラスターが確認される前の2020年2月18日。

ADAMatさんとの対バン時の事だった。

この頃にはダイヤモンドプリンセス号のこともあり、新型ウィルスの存在が世間でもだんだんと意識され始めていた。

とはいえ、会場のマスク着用率は100%ではなかった。

私の前に立っていたADAMatファンのお二人が、ライブが始まると「どうする?マスク外す?」「どうしよう、やっぱりつけとこう」とやり取りし、結局マスクをしたままライブに参加するのを見ていた。

私は、フラカンの番になったらマスクを外してしまったので、マスクのままライブを鑑賞するお二人の姿を過剰なものだと思う自分が居たことを、当時のムードと相まって強く思い出す。


こんなに大変になるとも、ここまで長期化するとも思っていなかった自分。



また別のラジオの話。

荻上チキさんのラジオで専門家の方がおっしゃっていた。

いわく、趣味が多い人ほどコロナ禍ではストレスを感じる傾向がある、とのこと。

趣味が多ければ、それだけ気晴らしの手段も多いと考えられ、むしろストレス軽減かと思いきや…

「あれもできない、これもできない」と、できないことが多く自覚される分、ストレスになるという。


なるほど。

もしかしたら、平時にエネルギッシュな人ほど辛く感じてるかもしれないんだな。

ちょっと気をつけよう。

我が家で言うなら、長男がそのタイプやもしれない。


定点観測の本を読むと、自分事でも色々と振り返るきっかけになり、意識していなかった事柄が繋がって再認識されたりして興味深い。


この定点観測本、次作は秋頃。

果たして、オリンピックはどうなってる!?