7月20日、NHK BSプレミアムの 《プレミアムシネマ》 枠で放映された 「燃えよドラゴン」 を観ました映画

 

 ご存じブルース・リー主演、1973年7月ゴールデンハーベストとワーナーブラザーズ配給公開の香港/アメリカ合作映画 「ENTER THE DRAGON」 です。ご存じといっても、自分がきちんと観るのはこれが初めて。

 

 

 

 

 少林寺拳法の達人リーは、国際情報局に見込まれ、かつて兄弟子でありながら悪に染まりカネと権力を得たハンの所有する島へ、武術トーナメントに参加する体で潜入することを依頼されます。

 

 要塞のような島は国家権力を寄せ付けず、銃火器を持ち込むことすら出来ないため、リーは身ひとつでハンとその屈強なボディガードたちに立ち向かい、悪事の証拠を内偵していくのです......

 

 ストーリーはあってなきがごとしで、ひたすら100分間、拳法アクションを魅せる映画ですが、なるほどブルース・リーが伝説のカリスマ映画スターなのがよくわかりましたニコニコ

 

 本作がいかに後世の映画ドラマやアニメコミックに影響を与えたか...少年ジャンプだけでも 「北斗の拳」 や 「闘将!!拉麵男」 はもちろん、「ドラゴンボール」 の天下一武道会や、「魁!!男塾」 の天兆五輪大武會はコレだったんですね。

 

 コレか と言えば、リーのセリフ 「Don’t think,Feel(考えるな、感じろ)」 はいろんなところで聞くし、ヌンチャクアクションはグレート・カブキだし、ハンが武器に使った鉄の爪はウォーズマンのベア・クローだし、リップオフされたネタばかり気になってしまいました。

 

 しかしブルース・リーって不思議な人ですねぇ。本作公開直前に32歳で亡くなっており、以後に公開されたのはぜんぶ香港での過去作で、それも軒並み大ヒットしたというのですからミステリアスの極み。スクリーン以外の肉声など聞くことはなかったことでしょう。

 

 トレードマークの 「アチョー」 の奇声や独特の顔つきは、他の人がやったらお笑いでしかないのに、リーのそれは実にカッコいい。カットアウトされた肉体美もさることながら、そもそもルックスがハンサムですね。人気が出るのわかります。

 

 共演のローパー役ジョン・サクソンとウイリアムズ役ジム・ケリー、ハン役のシー・キエンもこれひとつで有名になったそうですが、ハンの愛人タニア役のアーナ・カプリを始め、女性演者がみんな慰安要員なのは、この手の題材として致し方ないでしょうか。

 

 なにより、ラロ・シフリンによる音楽 ♪ジャ~~~ン ジャジャッ(アチョー~) は本当にボルテージが上がります。アルゼンチン出身のジャズ畑の音楽家で、「ダーティハリー」 や 「ミッション・イン・ポッシブル」 もこの方だそうですけど、ここまで中国拳法にハマるBGMはないでしょう。

 

 今現在、欧米の人たちからなんとなしに感じる、腫れ物に触るように中国と相対する様は、もしやこの映画の影響で不気味がってるからかも、と思ってしまいました。まさかねニヒヒ