先日、台所下の収納スペースを整頓していたら、オソロシいモノが出てきました。
押麦です。
なにがオソロシいかというと、これはあの平成米騒動、1993年秋から1994年の初夏までの記録的米不足のおり、当家でもお米に押麦を混ぜてかさ増しし、急場をしのいでいた名残なのです。まさかそのときの麦がまだ眠っていたとは。
タッパーで厳重に密封されていたのでぜんぜん腐った様子はありませんが、いくらなんでも25年モノを食べる勇気はありませんので、写真を撮って今回記事に載せて記念とし、処分いたしました。
しかしあのときはたいへんだった。
いつも買っていた近所のスーパーは朝から大行列をなし、家族交代で長時間並ぶという経験をしました。
「笑っていいとも!」 など、タレントがトークする番組では 「お米買えてる?」 が挨拶代わりになっていましたからねぇ。
当家では以来スーパーでの購入を止め、街のお米屋さんの得意になることにしました。なんかあったとき、優先して売ってもらえるんじゃないか、という浅ましい思惑です。今思うと、そんなうまいことになるとは思えませんけどね。
たしか当時の国内では、前年、前々年の生産品が売れ残る、古米の処置が問題になっていたはずなのに、その米はどこやらに消え失せていたのがなんとも不可解に思ったものです。
また、緊急にタイからお米を輸入して市場に流したのに、インディカ米をつかまえて マズイ だ クサイ だ、失敬極まりないヒドい言い草をされてたのが記憶に強烈です。せっかくお米を回してくれたのに、何様のつもりだったんでしょうかね。バブルの名残があった世間、かなりゴーマンかましてました。
このとき以来、深刻な米不足に見舞われていないのはさいわいです。冷害に弱いことがわかったかつてのトップブランド、ササニシキがシェアを激減し、はえぬき・どまんなか・秋田小町 などオリジナルブランドが登場した大きなきっかけでした。当家では はえぬき を主食にしております。