[4693]第53回「和也のワンマンチームだった明青」

 

○マウンド上
    中心に投手の黒木。周りに集まっている、孝太郎を含む内野陣。黒木、顎に手の甲を当てている。
孝太郎「ドンマイ、黒木さん」
    和也のいない、明青のベンチ。
(孝太郎の声)「和也のやつ、一体」
    マウンドに集まっている内野陣。
黒 木「よせ! 今はこれ以上点はやらない、それだけだ! 頼むぜみんな!」
内野陣「オー!」

○明青、応援席
    応援席から、マウンドから散る内野陣。
(佐知子の声)「浅倉さん?」
    スコアブック、意味のない線が書かれている。
    南、顔を上げる。恐怖と悲嘆が混ざったような表情。ざわつく周りの応援席。
    佐知子、南を抱えて館内へ入る。
(南の父の声)「南…」
    打球音。

○グラウンド
    捕球する三塁手。
(審判の声)「アウトォ!」
    黒木、溜め息をつきマウンドを降りる。
(審判の声)「スリーアウトチェンジ!」

○球場、館内
    ソファに座っている南と、傍らに立っている佐知子。
佐知子「落ち着いたら、帰っていいわ。一人で帰れる?」
    泣いている南、頷く。
    階段を駆ける音。
    ×    ×    ×

 

[4464]『タッチ1』 、リンクリスト

 

[4459]文章による「タッチ」(小説・脚本・超速、評論・分析)

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