[4414]『タッチ3』 33「これが新田明男です」
 

 駐車場に次々と停まる「貸切」のフレートを嵌めているバス。
 バスから出てくる明青の夏服の男子女子。校長や達也たちの担任などに続いて、南と原田も。
 入場口を入る明青応援団。
 廊下を左に歩く、南と原田を含む明青応援団一同。
南「原田くん」
原田「ん?」
南「今日の準決勝、無事に勝つと思う?」
原田「勢南にたまたま勝った相手だろ?」
南「そうだけど」
 南、後ろの原田の方に首を半端に捻り、前に向き直る。
南「油断すると碌なことないから」
原田「なんだ?」
 上が三光、下が明青の、0も入っていないバックスクリーンのスコアボード。
(柏葉の声)「上杉」
 若干右向きで、手前に歩く達也。
達也「なんすか?」
 ベンチに座り、腕を組んでいる柏葉。
柏葉「この試合3安打以内に抑えろ」
 ざわつく明青ナインの面々。
 ふてぶてしい表情の柏葉。
柏葉「昨日勢南に勝ったのはたまたまだったと思い知らせてやれ」
 気楽な雰囲気の三光のベンチ。
 驚いた表情の達也。
達也「ちょっと、野球始めて二年だぜ?」
 ベンチに置いてあるスタンド。写真は和也の遺影。
(柏葉の声)「上杉和也の後を継いだんだろ?」
 息を吞む達也。
達也「なっ」
(主審の声)「両校、集合!」
 達也の周りからナイン、出ていく。
(柏葉の声)「行けよ」
 達也の肩を孝太郎、叩く。
孝太郎「達也行くぞ」
 達也、踵を返して走る。
 大歓声の三光応援団。
 大歓声の明青応援団。
 整列してお辞儀する両校ナイン。
両校ナイン「オース!」
 0が入っていないバックスクリーンのスコアボード。
 応援席の南と原田。
 応援席の佐々木と由加。
 余裕の三塁側の三光のベンチ。
 眼光が鋭い、一塁側のベンチに座っている柏葉。
 スタンドの通路で立っている新田。
(主審の声)「プレイボール!」

 振りかぶって投げる達也。

 

[4416]『タッチ3』 35「あれは上杉達也か?」
 

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