SFドラマとしても期待したけれど。描かれたのは、ただひたすらの反戦ドラマ。その中で、
東京大空襲の被害を少なくしようという、SFらしい展開もありましたけれども。素人の浅知恵のため、
成果は得られず仕舞い。

 SFとしのお楽しみを付加するならば。柳葉敏郎をもっといい役所にしたり、時間旅行者の親などとの邂逅、
そんなアイディアもあったはずですが。そうした理解者による甘い展開を廃したこと、潔く。時間テーマ、
そんなSF性にしても、最後に時間軸がずれた原因が一切無いので。説得力あるセンス・オブ・ワンダー、
という展開には成らず。

 つまりこのドラマにとってSFは、道具立ての一つでしか無し。ドラマ的には2時間超える枠なので、
もっと盛り込めた嫌いあり。しかし退屈しなかったのは、脚本の力でしょう。とはいえCMのある、
民放ドラマという面も、正直あるかな。そんな辛口の面もありながら、こんな時代に製作した心意気、
そのテーマ、語り口には素直な賛辞を。

 私の評価は五つ星満点で、星四つ。