丸くなった。

この一ヶ月くらいの間に

三人から言われた。

どんだけ嫌なヤツだった

のだろう。

その方々からイヤなヤツ

だった!とは言われては

いない。しかしきっと

そうだった。その

トゲトゲしさが薄れたから

つい言いたくなったのだろう。


気負うこと、競うこと、気張る

こと。そうでなければミニバスの

世界では生きられない。

もちろん誰もが、ではなく自分

みたいな八方美人な人格の者が

チームを率いて頑張ること。

敵は外だけではなかった。

保護者たちもともすれば敵。

いつ刺されるかと戦々恐々で。



辞めてしまうことも出来たのに

この世界の人脈が、ではなく

子どもたちとの日々が

無くなるのは自分にとって

良いことではなかった。それも

不意に不本意に。


幕引きは出来れば自分で。

そしてせっかくならその日まで

みんなで笑顔で。

審判は頑張る。練習もしっかり。

でもギスギスとせず、ピリピリと

せず。



その理想をまだちゃんとは

実現出来てはいない。その

証拠に強豪チームたちの

試合の噂を聞くと何となく

胸がざわつく。それは

単純にそういう人たちのいる

現場から遠ざかった寂しさが

あるのだろう。いればいたで

うんざりするほど自分を

作り上げねばならないのに。



誰も自分にそんな姿を

求めてはいない。よくも悪くも

そもそも着目されてはいない。

それなのに無理して仲間入り

しようと背伸びした結果、

チームを追い込むことに

なったではないか。



今の体勢に子どもたち、保護者、

指導陣が不満を覚えていない

としたらきちんと継続する

ことだけに専念したい。


終わりは必ず来る。そう遠くない

未来に。それならその日まで

気持ちの良い日常を体育館で

過ごせたら良い。


それが自分レベルのコーチが

全うすべき役割だ。