三月歌舞伎座、助六やっぱり、『助六』は歌舞伎の華ねー。こんなに華やかな舞台は他にないわ。色男、助六を演じるのは言わずと知れた市川海老蔵さん。彼が花道に登場すると客席が沸き立つ。期待通りの美しさ。指先まで神経が行き届いている。海外からのお客様も以前より増えていると思うけど、日本の自慢だわ〰〰!でも、今夜は、赤い隈取りがきつすぎて?なのか、少し狐っぽく見えたのは残念。せっかくのイケメンが泣くわ。揚巻には、中村雀右衛門さん。きりりとして、お品がある。台詞を聞いていて、声や台詞まわしが大好きだった歌右衛門さんに所々似ていらっしゃるわーIと思った。懐かしかった。海老蔵さんのお父様、團十郎さんと先代雀右衛門さんの揚巻は感動的だった。色っぽく、母性本能をくすぐる助六と、情の深い揚巻。お二人の心の交流がはっきり見て取れて惚れ惚れしたわ。そういう意味では今回は物足りない。余裕綽々で助六を演じる海老蔵さんだけれど、時々、台詞が歌舞伎らしからぬ軽さになるのよねー。脇息を切った場面や、揚巻が客をとったと勘違いをした助六が、揚巻をなじる時の台詞の調子が軽すぎる感じ。。二人の間の情愛も感じられない。感想が厳し過ぎるかしら?海老蔵さんが40才を越えた次回の助六に期待。但し、客席では、海老蔵さんを称賛する声多数。もちろん私も大ファンです。舞台写真を購入。キセルを両手で受けるお写真がなかったのは残念。白玉役の、中村梅枝さんも、傾城八重衣役の坂東新悟さんもすごくお綺麗だったけど、傾城浮橋役の尾上右近さんには、もううっとりうっとり。お美しい〰〰!I大輪の牡丹だわね。助六、浮橋、助六、浮橋、と目が忙しい。順番で行くと、まず白玉をやってから、揚巻でしょうが、いつの日か絶対右近さんの揚巻を見たい。もちろん助六は海老蔵さんで。助六の兄、白酒売新兵衛に尾上菊五郎さん。登場された時は、お父様の梅幸さんが、あの世から戻っていらっしゃったのかしら?と思うほど、そっくりになられていた。さすが人間国宝。菊五郎さんの登場で舞台がピシッと締まった。人を笑わせるのには腕がいる。お品よくおどけて、助六をいさめる厳しさもある。歌舞伎の本物の芸を見せて頂いたわ。助六の母、曽我満江役に、片岡秀太郎さん。威厳があって、美しくて素晴らしい。出番は僅かなのに、彼?彼女?のお陰で、舞台の格が上がった感じ。あーー、助六はやっぱり面白い。歌舞伎はどうも苦手、、、。という方も助六だけは観て損はないですよー。