舞台『ヘンリー六世』 | お気楽マーニャのブログ

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蜷川幸雄さん追悼放送。LaLaTVで視聴。2010年の舞台。昨夜午後11時スタート。舞台に血をおもわせる赤い水溜まり。それを現在の姿をした掃除のおばさんたちが拭いてゆく。きれいに拭き終わった頃あいを見計らって、天井から血の塊を連想させる物体が落ちてくる。それをまた黙々とかたずける女性たち。さすが斬新な幕開け。舞台がきれいになったところで、一気に時代が変わる。舞台装置はなし。役者だけ。沢山の役者が声を張り上げ叫ぶけど、口跡が悪くて何を言っているのかわからない。雑音にしか👂⚡聞こえなくて😣💦💦💦ぐったり。そこへマーガレット役の大竹しのぶ登場。さすがだわねー!どんな早口のセリフでもはっきり明瞭グッド!グッド!グッド!張があって通る声。ヨーク役の吉田綱太郎も、素晴らしい口跡で実力者!当たり前でしょうが、、、。二人の実力が群を抜いている。ヘンリー六世役の上川隆也はまあまあ。話は複雑で、私の勉強不足の為にストーリーがわからない。全然この世界に入って行けない。ファンの長谷川博己もイマイチだし、草刈民代は、綺麗だけどセリフが固いし、これ何時間も観るのは忍耐いるわ〰〰!ショボーンやはり日本人には赤毛ものは無理?と思っているうちに寝てしまった。情けない。はっ!(゜ロ゜;!と起きて、画面を観ると、気弱になっている上川ヘンリー六世をしのぶマーガレットが、なじる場面。俄然面白くなってきた!冒頭おぼこい感じの少女だった大竹しのぶが堂々とした悪女に。上川ヘンリーもだんだん声が出て存在感が。ただカツラが、なんかかっこわるいのよねー。残念。最大の見せ場が大竹しのぶと吉田綱太郎の対決場面。役者の執念がぶつかって前代未聞の名場面。王の座を狙う綱太郎ヨークを、しのぶマーガレットが二回ビンタし、三回足蹴にし、最後は刺し殺す。この壮絶な二人のやり取りを同じ舞台上の役者も固唾をのんで見つめている感じだった。










もう完全に目が覚めて画面に釘付け。同じレベルの実力がある役者同しでなければ実現出来ない場面ね。特に大竹しのぶのある意味女を棄てた骨太の怖い怖い演技には圧倒された。👏👏👏パチ、パチ、パチ。ブラボー!彼女の本質はこっちよねーと思ってしまう。本質になければ、この演技は空虚なものになっていたはず。今は、いいお母さん、のイメージの彼女だけれど、私がもっている若いときの彼女のイメージは、狙ったものはどんな手段を使っても手にいれる。1度手にいれた、ものは絶対離さない!ていう感じ。(あくまでも私のイメージです!)この心の強さ、業の深さが舞台女優として、彼女を花開かせているような気がする。ヨークの死の後、今度は、しのぶマーガレットの息子が殺されてしまう。愛する息子の遺体にすがり泣き叫ぶマーガレット。大竹マーガレットは涙を流し、口元が小刻みに震え、口からは狂気の😱叫び声が。いかにみっともない自分をさらけ出すことができるか?役者には大きな勇気がひつようねー。





舞台には天井から降る、白と赤の薔薇🌹だけ。役者が良ければ舞台装置なんていらない。観客は役者の後ろに各々の街並みが、⛪建物が見えてくる。初めての体感。後半は死んだヨークの息子、エドワード役長谷川博己の中心になる。姿はいいけど力が入りすぎ。必死感が強すぎて、役に成りきっていない感じ。妻となる未亡人草刈民代とのキスシーン、キスした途端アップで二人を映していた、カメラが、ターンして、他の役者に振ったのは納得出来ないわ。美しい二人のキスシーンちゃんと見たかったのに。ムキーお気に入り長谷川博己より、目が行ったのが、リチャード役の高岡蒼甫。彼を観たのは映画『パッチギ』以来かも。こんないい舞台役者になっていたのねー。蜷川幸雄さんだけではないとおもうけど、いい指導者に会って、自分を成長させて貰えたことは本当に幸運な事ねー。イケメンの、顔を長い前髪で半分隠して、複雑な人間性を巧みに表現。役に成りきっている。おまけに足が不自由な役だから、不安定な体勢のまま歩いたり、走ったり、かなり肉体的疲労もあったはず。最後、上川ヘンリー六世を殺害する場面は、見応えあったわ。最後のセリフは上川隆也の抑制のきいた知的な低音の声で発せられた言葉だったから、このお芝居に重みが出た。朝6時前、長い長いお芝居終了。役者さんたち、本当に死に物狂いでやっていらっしゃる。お疲れ様でした。観て良かった。!!クラッカークラッカー