世界ふしぎ発見!(8)

 

地球はまるいのではと分かってきた。15世紀なかばから大航海時代始まる。                     50年前、ヨーロッパを旅していた。私の世界旅行ときたら無計画で、冬が来るので北欧から一カ月回ろう。パリに戻って南欧に行こうという大体の計画しかなかった。ただ何もかもが珍しくて私にとっては別世界だった。どこにいても何を見ても感動していた。「世界ふしぎ発見」を見ると自分がまた旅をしているように思えてくる。

 

列車はスペインマドリッドからポルトガルのリスボンに着いた。自分の泊っているペンションから中心街まで電車に乗っていると毎回窓から大きな船のモニュメントが見える。あれは何だろうと思っていた。20年も経ってそれが、ポルトガルのエンリケ航海王子を筆頭に大航海時代を切り開いたマゼランやバスコ・ダ・ガマ等の33名の航海士の記念碑だとわかった。 フランシスコ・ザビエルの像もある。聖教新聞の池田先生の指導の中にこのモニュメントの写真があった。池田先生の指導はスケールが大きくていつも勇気と希望が湧いてくる。このリスボンの港からたくさんの船団が出港した。

 

大航海時代はスペインとポルトガルとの領地の取り合いです。エンリケ王子がいち早くアフリカの南端喜望峰を発見しインドや東南アジアに行く航路を発見した。どちらが先に行きついて植民地に出来るかの戦いだった。                             日本にもやってくる。日本に鉄砲を伝えたのは種子島に行きついたポルトガルだった。最初に日本にキリスト教を伝えたのはスペインのフランシスコ・ザビエルだった。ザビエルはスペインのナバラ王国の家臣の子として生まれ貴族だった。ふしぎ発見で彼の育ったお城が紹介されていた。へー貴族の子だったんだ。人は皆、色々な使命を持って生まれてくる。そして生命は色々な因を積み結果を出しながら生まれ変わりを繰り返す。彼はイエズス会を創設しキリスト教を伝道し人々の心に明かりを灯したいと願った。 生命レベルの高い人だった。もともと心の奇麗な人だった。

 

日本に鉄砲が伝わり今までの戦い方が変わる。鉄砲を制した信長から天下人は秀吉そして徳川家康とかわっていった。大航海時代は日本の歴史に大きく関与している。天下人になった徳川家康はキリスト教を禁止する。プロテスタントでキリスト教を布教しない国オランダと中国にだけ長崎に国交を開き鎖国を決める。260年の徳川の代が続き日本文化が花開く。

                                                                                   時代はスペインに変わりプロテスタントの国イギリスが世界に台頭するようになっていく。

一方アジアでは13世紀チンギスハーンが率いるモンゴル帝国が勢力を延ばしていた。ちょうどそのころ日本では鎌倉幕府が成立し執権北条時宗が治めていた。日蓮大聖人は北条時宗に謗法を戒め正法に寄与しなければ、薬師経に書かれている三災七難のうちまだ起きていない他国侵逼難(たこくしんぴつなん)自界本逆難(じかいほんぎゃくなん)が起こると諌暁されていた。鎌倉幕府は全く無視した。1271年日蓮大聖人を龍ノ口で打ち首にしようとしたが、火の玉が流れ、辺り一面真っ赤になり打ち首に失敗する。 その後1272年2月身内からの反乱、自界本逆難が起こる。その後1274年1281年2度の蒙古襲来(元寇の疫)が起こる。二度とも神風が吹いて日本は蒙古からの侵略に耐える。1282年日蓮大聖人が亡くなられた。11年後1293年マグニチュード8の鎌倉大地震が起こる。鎌倉中の神社仏閣がすべて倒れ、2万人以上の人が亡くなる。以後鎌倉幕府は衰退し滅亡する。

 

世界を圧巻したフビライハーン率いるモンゴル帝国は160年続きその後分裂してゆく。中国では「元」という国になる。ふしぎ発見でモンゴル草原を馬で駆け回るシーンを度々見るが、過去には色々な歴史があり、私達の生命は生まれ変わりを繰り返し、縁あってまた夫婦になり親子になり、親友にもなる。敵にもなる。原因結果を繰り返しながら、そして私達は今を生きている。馬に乗ってあんな草原を駆け回ってみたいな。

        

16世紀イギリスは国王ヘンリー8世の離婚問題によりプロテスタントの国になった。彼の娘エリザベス一世の治世で、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド等植民地を広げていった。大英帝国のはじまりだ。宗教的にはカトリックよりもプロテスタントの方がより人間生命を開かせる自由な発想を受け入れる土壌がある。イスラム教の様に押さえつけられると人間は疲弊する。

 

スペインやポルトガルの植民地になった中南米アメリカの国々は人間を神にささげるという生命尊厳のない生贄文化がねずいていた。こういうことはテレビでは放送しない。世界ふしぎ発見でもレポートしなかった。                            人間生命が神であり仏という日蓮仏法とは全く真逆の原始宗教だ。私は世界を旅しながらどうして世界には豊かな国と貧しい国があるのだろうかと不思議に思っていた。それが生命でわかった。人々が信じる宗教によるのだと分かったのは2017年10月末に行ったメキシコ旅行だった。私はお隣の国メキシコには絶対に行かないと決めていた。 ウォレンがあそこは危険な国だよ、改革を進める正義の政治家は皆殺されると言った。観光に行った人が飢えた野良犬や野良猫がたくさんいて可哀そうだったとも聞いていた。なのにパソコンで旅行会社のメキシコ・カンクン4泊5日10万円という広告が目について安いとすぐ飛びついた。現地の食事、ホテル、観光ガイドもすべて含まれている。グループツアーなら危険は少ない。早速中学時代の友達純子さんに電話をする。彼女も行きたいとすぐ返事をくれる。高校の英語の先生をしていたので英語は堪能、世界を旅している。ペルーの旅行も彼女と行った。すべてがとんとん拍子に進んだ。

 

半年後、私は準備を進めているとき、自分は何か忘れている、何か忘れていると思ったが、それが何かわからなかった。メキシコシティ国際空港で合流してその日メキシコ人類学博物館に行く。安室奈美恵ちゃんに似たかわいい日本人のガイドさんが、「この石の横に掘られた絵は生きている人の心臓を取り出すためにその人が動かないように5人で抑えつけて心臓を取り出している様です。」その平らな石の上で何千人の人が虐殺されている。 「生きた心臓を神にささげるのがスペインに征服される前のアステカ帝国です。」                                       このアステカ時代に何百万人のひとがさらわれいけにえにされた。アステカ人は生きた心臓が大事なだけで心臓を取り出した身体はピラミッドの上から投げ捨てられた。束ねて埋められた身体や頭蓋骨があちこちからでてくるそうだ。頭蓋骨を積み上げて大きなピラミッドにしているのも見つかっている。なんと残酷な!人間生命蔑視も甚だしい。皆イヤホンで息をのむように聞いていたように思う。この話を聞いて今までの疑問が解けるのですがこれは後で書きます。

 

4日間メキシコの郊外や色々なところを観光出来てほんとによかった。ただあまりにお腹を空かした可哀そうな野良犬が多くて打ちのめされた。カンクンでは素敵なホテルに泊まって海で泳いだ。私達はもう一泊してカンクンのアドベンチャーワールドに行き帰国するために空港に向かった。                                                そこまではよかったのです。手続きの為に並んでいるとふっとホノルルのあの感じの悪い移民官の顔が浮かんだ。あ!グレーンカード忘れたと思った。純子さんには「私は大変なことをしてしまったわ。グリーンカードを忘れてしまった。」新しいパスポート入れにしたのですっかりグリーンカードを一緒に入れるのを忘れてしまった。

 

数年前ホノルルの移民局で必死でグリーンカードをバックの中から探していた。そして顔を上げて彼の顔を見た時、あまりに心が冷たく卑しいのでおどおどしてしまった。 それを彼は私が悪人(運び屋)に見えたのか それからずーっと自動的に飛行機券にSSSSのマークをつけられてしまった。もちろんスーツケースの中も調べられていた。世の中にはどんな職業の人でも心のいい人と心の悪い人がいる。私は人の生命が観えてしまう。

                                             

航空券はカンクン・メキシコシティ・ロスになっている。メキシコシティ国際空港で降りてアメリカ大使館に行くことになった。夜明けまでアメリカ大使館の隣のシェラトンホテルで待った。朝になってみるとアメリカ大使館がものものしく、警備が厳しいと思った。出入りするたびに時間を取られる。一人だけ職員がいてグリーンカードを忘れたというと馬鹿にした態度でこれとこれとこれを用意しろという。昼12時には閉めるという。写真を撮ったり、近くのパソコン店で書類にタイプしていた。言われたとうりに書類をそろえようとしていたが、グリーンカードの番号を入れよと出てきたのであきらめた。

ふっとロリーに電話をかけて郵便で送ってもらおう。フェデックスかUPSなら一日で着く。私は携帯電話だけしか持っていなくてその上バッテリーも切れている。ホテルの公衆電話でロリーに電話をかける。繋がった。「今車、家に帰る途中だ。家に帰ったら言われた場所を探してみる」という。30分後に電話をかけるとあったという。午後2時。すぐ近くのフェデックスの最速国際便でシェラトンホテル宛て送ってくれた。75ドルだった。明日着くという。やった奇跡だと思った。彼女が昼に家に帰ること事態が不思議だ。

                                                              次の朝、ホテルは街の中心地にあり、革命記念塔が目の前だ。時間があるのでHISの事務所まで市内を歩いた。歩道はひどいでこぼこで下を見て歩かないとつまずいてしまう。車いすなど通れない。家も傾いているそんなところにビルが建っている。湖の上に建てられた街だそうで沈下がいちじるしい。

                                                             郵便物にはトラッキングナンバーが付いているのでホテルの隣にあるフェデックスでチェックしてもらっていた。夕方4時フェデックスに届く。やった。これでアメリカに入れる。次は飛行機だ。空港に急ぐ。今日のLAX行の便に乗れるだろうか。飛行機券はメヒコエアー、一人片道400ドル、純子さんの分も買って真夜中家に着いた。ロス・メキシコシティ・カンクン往復400ドルで買った。それが今回はロス・メキシコシティ片道400ドルどうしてこうなるのだろう。飛行機はすいていた。客の足元を見て平気で吹っ掛ける商売をする。2日遅れれば純子さんが日本行きの飛行機にも乗れなくなるところだった。純子さんには申し訳なかった。でも彼女は一言も非難めいたことはいわなかった。彼女も旅行に行く一カ月前、雨でぬれた病院の玄関で滑って足のくるぶし近くの骨を折った。病院でぎりぎり許可がでて杖で参加していた。ともあれ二人とも無事に帰れてよかった。

 

ウォレンはメキシコは人が誘拐され殺されるんだといっていた。彼は若い時メキシコに行ってさらわれそうになった。                           過去に近隣の諸国から人をさらっては生きた心臓を取り出し捧げた。もちろん自国の民も生贄にした。アステカ王国が滅亡しスペインが支配しカトリックの国になっても彼らがやってきたことはなくならない。メキシコはどくろだらけだ。墓に納められた人たちではない。皆殺された人達だ。200年間のアステカ王国の悪事はそれぞれの無残に殺された生命に刻み付けられ、その生命は生まれ変わって復讐する。今、現代も人は理不尽に殺されている。何人も束ねて埋められたりしている。生命に刻まれた憎しみ瞋りは消えない。麻薬組織カルテルがあって警官も政治家も動かしている。市民は警察を信じていない。メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア昔のマヤ文明も生贄文化だ。こういう罪なき人々を殺戮し残酷に殺してきた歴史のある国は発展しない。常に悪い政治家が現れ人を不幸にする。「世界ふしぎ発見」ではこういう心の痛む真実は放送しない。

                                                         戸田先生は亡くなられる数日前、池田先生に「メキシコに行った夢をみたよ。みんな待ってたよ。行きたいな世界へ」とおっしゃった。池田先生は世界へ出られるときは戸田先生の写真をいつも胸ポケットに入れられていた。アメリカでは10月2日は世界平和の日です。1960年10月池田先生が初めて海外に出られるとき、奥様がなぜ10月2日と決められたのですかと尋ねられた。池田先生は2日は戸田先生の月命日だからとおっしゃったそうだ。