頼まれてた高血圧のサプリを渡すために会った。
もちろん彼の仕事の合間に。
最初に会った日も仕事の合間だった。
なんならホテルに行った日も仕事をしてから来た。
彼と付き合ってもうすぐ半年だけど、未だに私服を見たことがない。
これだけでも別れる理由になるよね、、
普通なら、、、
とおもう。
いつものイオンの駐車場。
彼にサプリを渡す。
彼はトランクを開けて荷物をかたしていた。
ん?
彼の車のトランク。
工具箱の上にポンッと置かれたブランドの
ショップバッグ。
TIFFANYのあのショップバッグが無造作に置かれていた。
なに?
タカくん、TIFFANYの…
なに?
「あー、あれか後輩に俺の車に置いといてって言われてな。」
彼はそういうとバンッとトランクを閉めた。
おかしくない?そんなの頼む?
「は?なんやお前。頼まれたんやけん、しゃーないわ。知らんし。都合悪かったら隠しとるわ!!それにこんな高価なもん、工具箱の上に置くか!」
私は彼を疑いの顔で見つめる。
なんでこんなに、疑わないけないことばかり起こるんだろう。
誰かにプレゼント?
それとももらった?
頭が混乱する。口には出せない。ケンカになったら彼は逆ギレして私はとても傷つくから。
「以上!!もう2度と言うな!」
もちろん納得なんてしてない。
モヤモヤがとまらない。
でもこれ以上言えない。
「うどんでも食いにいくか」
彼は話をそらすように言う。
そして
「おごって~」
と言った。
私は
なんで私がおごらないといけいの?
と思わず返した。
「は?男がおごるの当たり前と思ってん?俺そういうの好きじゃない!」
それ。私に言ってる?(あなたのためにアレ買ったりコレ買ったりして尽くしてる私に!)
「いやいや、違うって!おまえはそんなんやないな」
と彼はあわてて言った。
その後うどんやに行って向かい合わせで食事した。
楽しいはずなのに、さっきのTIFFANYと私に奢らせようとしたことで、うまく私の言葉が出てこない。
楽しく無邪気にしないと、もう食事に連れていってもらえないかも!
笑わないと!
そんなことばかり考える。
食事が終わりまたイオンの駐車場へもどった。
少しいちゃついて、帰る時間が近づく。
そうだ。サプリのお金まだもらってないね。
4200円だよ
「すまん。今、金持ってないんよ。今度でいい?」
え?さっきうどん払ったやん。お金あるじゃん。
「いや、さっき払ったんでなくなったんよ。すまん。次払うから」
私は言葉を失う。
私なら4200円は別にしまっておいて、何かを食べるかもしれないから余分にお金を用意する。
この人は最初からサプリを払うつもりなかったんだ。
私を騙して都合よく使って、最低な男なんだ。
もう無理。つらすぎる。きっとTIFFANYが本命で私なんかにお金を使うつもりないんだ。
タカくん、さっきのTIFFANYだけど、
ほんとに後輩のなの…?
「もうその話は終わってるだろうが!!ずっと気にするんは知らんが、もううっとおしいし、もうええわ!ってなる!!」
もうええって思うならそれで私はいいよ。
勇気を持って私は言った。
帰るね!
私は身なりと荷物を持って車を出ようとする
彼が
「帰ったら…LINEしとけ」
と言った。
私は彼に一目だけくれて自分の車に乗った。
いつもなら窓を開けてバイバイなんてするけど、もうしない。
帰ったらLINEしとけ。。
反省してる?
別れるきない?
私はそんな彼の言葉でもうれしいと思ってしまうんだ。