日本は地震や台風、それに伴う洪水や土砂崩れ等の自然災害が多い国です。

 

ですので不動産賃貸業をやっていると必ずお世話になるのが火災保険です。

 

火災保険は火災だけではなく地震や台風、風水害の被害も補償してくれます。

 

 

私は当初、火災保険についてはそれほど深く考えることなく、「安ければいいかな」と全物件で全労済の火災保険に入っていました。

 

しかし現在では、考えを改めすべての物件を民間の保険会社の火災保険にしています。

 

一番の理由は、実際に災害に遭った時、十分な保険金が出ないことです。

 

全労済の火災保険に関しては苦い経験をしています。

 

数年前に物件の屋根瓦が強風で飛ばされたことがあって修理の見積書、被害部分の写真と共に保険金の請求書を提出しました。

 

ところが振り込まれた保険金は被害額の半分程度…

 

調べてみると全労済独特の保険金の算出基準があって、その基準に則って計算するとまず被害額全額を補填するのは無理だということがわかりました。

 

計算のやりかたは正確には覚えていませんが、加入している保険の口数と修理の見積額によって保険金額が違ってくる仕組みです。

 

より多くの保険金をもらうためには、加入口数を増やすか、見積書の金額を多くする以外にありません。

 

加入口数を増やすと保険料も当然上がりますし、何よりも耐用年数を超えた築古物件に過大な保険をかける合理的な理由もありません。

 

業者さんに協力してもらって見積書の金額を実際よりも高く出してもらって請求することも不可能ではないでしょう。しかしこれは詐欺行為に等しいのでやるわけにはいきません。

 

さらに我々大家にとって致命的な全労済の欠陥は、空室物件に対しては保険金が出ないこと。

 

入居者さんが退去して募集中の時に災害に遭っても全労済では保険金は出ないのです。

 

空き家を買って賃貸に出すためにリノベーションしているときも同様です。

 

その時これでは使い物にならないと思い、すべての物件の火災保険を民間保険会社のものに変えました。

 

その後、大阪北部地震や台風21号の際に保険金を請求しましたが、問題なく請求通り全額振り込まれました。

 

あの時決断して民間保険会社に変えておいて本当によかったです!

 

自然災害の多い日本だからこそ保険はとても大事だと実感しました。

 

 

 

追記

 

全労済や共済の保険に入る1番の理由にその保険料の安さを挙げる大家さんが多いですが、丹念に探せばほぼ同じ補償内容で全労済や共済並みの民間保険会社は見つかります。

 

私が現在加入している保険会社も地震保険を除けば、補償は全労済よりも充実していますので全体的なコストパフォーマンスは全労済よりもいいと思います。