利益にもいろいろありますが、ドライバーが貢献できる利益は売上高総利益率(いわゆる粗利)です。売上高から運輸原価を差し引いたものです。
運輸原価で主なものは、
① ドライバーの人件費や福利厚生費
② 燃料・油脂費(軽油、エンジンオイルなど)
③ 車両修繕費(車検、法定3ヶ月点検、故障等の修理代)
④ 旅費交通費(主に高速道路使用料)
⑤ タイヤなどの消耗品費
⑥ 保険料(損害保険料、運送賠償保険料など)
⑦ 事故費
⑧ 租税公課(軽油引取税など)
①から⑧のすべての経費がドライバーにより決められていると言っても過言ではありません。
しかし、どれも管理不能経費ではありません。運送事業者が「教えること」「関心を持たせること」「評価をすること」でいくらでも変動、削減できる経費です。
私が現在の会社に入社した頃は、コスト削減などはドライバーの裁量に完全に任せられていました。
管理していたのは、休憩時間や丸タコグラフでの最高速度くらいだったと記憶しています。
まずは①ドライバーの人件費や福利厚生費です。単純に売上総利益率を上げるには、売上高に対する人件費率を下げることが一番効果があります。それは、売上原価に占めるドライバーの人件費は一番大きい経費だからです。多いときは50%程度にもなるときがあります。例えば、月間に60万円の運賃の運行に携わり、給料の総支給額が30万円だった場合がそうです。有り得る数字です。これに社会保険、労働保険、雇用保険、賞与、福利厚生費、退職金積立などドライバーに関わる経費を加えると、60%を超えるケースもあるのではないか?
人件費を抑えると効果が上がりやすいとは言え、同じ仕事内容にもかかわらず給料を下げれば、モティベーションは下がりますし、それ以上に退職されてしまう可能性が高くなります。補充要員の募集、採用、教育の方が膨大な経費がかかってきます。
人件費率をドライバーのモティベーションを下げずに行う合理的な方法はあります。
ア.運賃値上げ
イ.労働時間の短縮
ウ.荷待ち時間の短縮
エ.ドライバーを多能工化する
運賃値上げは給与が同額なら、運賃(売上)があげれば、人件費率が下がり、売上高対利益率が上がります。これには日頃からドライバーに「輸送品質を上げる努力をして運賃を上げてもらおう」という働きかけが必要です。
人件費率が抑えが利く範囲内での給与アップはモティベーションを上げるためには必要なことです。あとは、会社側の提案力でドライバーをバックアップすることも重要です。
具体的には、よくあるのがドライバーの多能工化提案です。私の会社で成功した事例は、ドライバーの荷待ち時間を利用して、通い箱の整理整頓や古いエフの剥がし回収、通い箱の洗浄などです。この提案で、荷主側の人件費が削減でき、半分を運賃アップに向けてもらいました。