「日経平均では市場全体を見ることができない」と、私はいつも述べています。
株価指数が数年にわたって上昇し、水準を大きく上げれば、すなわち「市場に資金が継続的に流入した」と説明できますが、遠くから眺める評論家目線しか生まれません。
それなのに、個人投資家向けの情報、つまり「プレーヤーが読む」各種の記事に、必ず日経平均の動向が登場します。しかも、丁寧に「○○だから上げた」「○○を嫌気して下げた」と、すべてを見通したような解説がついています。
日経平均については、林投資研究所YouTubeチャンネルの動画でも述べています。
私は、個別銘柄の定点観測をすすめていますが、「そうだな」と感じながら実行していない人もいるでしょう。
ダイエット、そうじ、早めの支度……課題と認識しながらも習慣を変えられないのはフツーです。
定点観測も、かる~い感じからスタートしてみてほしいと思います。
自分が持っている銘柄など、どんなに少なくても数銘柄の動きは適宜、チェックしていると思います。まずは、その現状について「自分は定点観測をしている」と定義してください。その定義を、自分自身に繰り返し刷り込んでください。そして、「ちゃんとやっている」と評価するのです。
次に、現在の観測で得られること、ちょっとした発見などを考えてみてください。1つか2つ見つかればOKです。
さて、定点観測のやり方を進化させると、その利点が増えます。大幅に増えたうえに、クオリティが高くなります。そうなっていくために、まずは理想のかたち、最終的に到達したい状態を以下に列記します。
- 毎日、同じ時間に同じ場所で、同じ気持ちで株価をチェックする
- なんとなく見るのではなく、「場帳」に記入するなど“ひと手間”加えて自分だけのデータにする
- 目の前の利益を追いながら、基本的な売買のやり方、ポジション操作についても考える
いきなり、ビシッとしたルーティーンを固める必要はありません。
例えば、持っている3銘柄を「ネットでチラチラッと見る」のが現状なら、「その3銘柄のチャートを週末に10分間眺める」という習慣を追加するだけでも十分。そんな変化が、大きく進化していくための第一歩です。
なんとなくその気になったときで大丈夫、試してみてください!
楽しんで実行することが第一です。
すでに適度な定点観測をしている人は、「どうすれば、もっと楽しくなるか」を追求してください。