目立った動きがない状態で安値を固めつつある、思われるものは、「出遅れ銘柄」と呼ばれます。
買いを狙う対象として「手堅い」ともいわれます。

でも、動きがないから出遅れなのであって、そこには「これから動く」という保証などありません

今後大きく上がるとしても、安値圏でモタつくうちに、中源線が陽転、陰転を繰り返すケースもあり得ます。
「見極める方法はないの?」とイラついても、正解が見つからないのが現実です。

12月9日のブログとあわせて、「出遅れ銘柄を狙う」前提で、実践的な課題に触れました。
どれも、銘柄を選別する上で当然の観点だと思います。

でも、中源線の利用方法は、銘柄を固定するのが原則です。
中源線のシグナル(法示)に素直に従うか、裁量を入れるか、といったデリケートな判断があるので、銘柄を固定しても考えることは多く、なかなか忙しい作業が待っています。

なので、銘柄を入れ替える方式は、実行が難しいし、安っぽい当てもの売買に近づきやすいと認識してください。
やはり、銘柄を固定する強みは歴然と存在します。

でも、銘柄を入れ替える、新しい銘柄をさがすといった行動には、ワクワク感があります。
大切なカネを動かす「事業」なので、ストイックな姿勢を貫くべきですが、銘柄を乗り換える楽しみも全否定はできません。

銘柄固定か、選別か……中間の折衷案もあります。
例えば10銘柄に固定して定点観測しながら、手がけるのは5銘柄まで、といった対応です。

中途半端な姿勢で、うまくいかない可能性もあります。
銘柄を“当てる”気持ちが強くなりすぎる懸念です。

しかし、幅広く観察し、ポジションを取る度合いを積極的に調整する(多くしたり少なくしたりする)発想が強まるなど、プラスの面もありそうです。

相場には、無限の選択肢があります。


守らなければいけない原則、自由に考えることが可能な部分、独自の答えを出すべき部分、苦しいけどガマンが求められる部分、感情を高めてくれる楽しい部分──うまく整理して、シンプルな行動におさめるのが、ある意味、売買の技術です。