さて、今回は、多くの個人投資家が好む出遅れ銘柄に注目し、「下値不安のない銘柄はどれだ」という観点を示します。


でも、このブログを読んでいるみなさんは、独立した行動を心がけるプレーヤーです。

言葉をそのまま受け取るのではなく、突っ込んで考えてみてください。

例えば、「出遅れ銘柄の定義とは?」といった疑問です。
それが明確になったら、次は「動向を注視するのはいいけど、なにをもって、どんな判断があるのか?」という疑問にぶつかります。

カチッとした基準がないなかで、それぞれのプレーヤーが、経験などをもとに銘柄を分類します。いわば便宜的なものですが、いつも同じ基準でいろいろな個別銘柄を観察する結果、自分なりの答え、自分なりの戦略を固めているのです。

私も、プレーヤーとしての本音を発信しているつもりですが、自分で話していることについて「雑なまとめ方ではないのか?」と問われたら、100%ないとは言いきれません。

売買の決断は、最後に「エイヤッ」とやるしかありません。
それを支えるのは、自分自身の判断です。
数式化できないもの、言語化さえ難しいものも含めて、「こう判断してみようか」という自分の気持ちを、どんなときも大切にしてください。

ややこしいことを述べましたが、そんな複雑な世界で明確な答えを出さないと、売りも買いも決めることができません。
でも中源線は、数式を用いて、どんなときでも「売り」「買い」とブレのない判断を示してくれます。

当然、これについても議論が生まれます。
単純な話、「ダマシをどうするのか?」ということです。

安値圏で魅力を感じさせながらも、中源線の陽転がダマシになったケースをご覧に入れましょう。住友精密工業(6355)です。



2021年12月下旬の陽転は、いろいろな面で魅力的でした。
約6カ月の下げは値幅も十分で、目先で底固めをしたような形から中源線が陽転──多くの実践者が高く評価しそうです。

でも、その陽転はダマシでした。


後講釈は自由ですが、実際に買いポジションを取った場合は、確固たる対応が必要です。
なんとなく先送りしたい気持ちを優先させ、疑問のあるポジションを放置してはいけません。

2022年2月の陽転が「当たり」という結果になりそうな雰囲気ですが、12月の陽転で買ったポジションを残していたら、次の一手を考えるうえで余分な要素を抱えた状態です。
1月の下げがもっと深くなった可能性もありますし、今後あらためて弱くなり、2月の陽転がダマシになって暴落する可能性だってあるのです。



赤い矢印の部分でサッと投げる──これは、正解・不正解を論じることが難しい相場においても、「実行すべき」と断言できそうな対応です。

―つづく―