根拠のない自信が大切、すなわちポジティブ思考が好ましい。

そして、負の記憶が残りやすいから注意が必要──ひたすらポジティブがいいと解釈されるかもしれませんが、ポジティブすぎて勘違いすることは避けたいのです。

また、ネガティブ思考にも大きな価値があります。

トレードは単独行動です。
本来はチームでこなす、さまざまな役割を、自分ひとりで担う必要がある
のです。

大切なカネのことなので、ビビる気持ちが芽生えることもあります。
ビビらないまでも、やや慎重になりすぎるケースがあります。
そもそも、明日の価格さえわからない中で「次の一手」を要求されつづけるのです。

だから、「えいやっ」と行動する瞬発力も必要です。

とはいえ、そんなポジティブな気持ちだけではキケンな方向に傾くので、ブレーキを踏むべき場面も想定しておかなければなりません。

プレーヤーがポジティブに「えいやっ」と行動するかたわら、それを温かく見守りながらも「アブナイかな」と感じたら抑える管理者が必要です。
相反する2つのことを、自分ひとりでこなすのがトレードです。

そもそも、大きな値動きのある株式市場に参加すること自体が、とても楽観的に考えた結果だと思うのです。でも、その延長のイケイケだけでは、大きなケガをします。

だから、「慎重に計画しようよ」と提案する、ネガティブ思考のチームメンバーが必要です。自分の頭の中にですよ。

トレードでは、ひとりで何役もこなしながら、ポジティブ思考とネガティブ思考を上手に使い分ける必要があります。このバランスを保つのがポイントで、やみくもに取り組むと混乱する原因なのです。

そんななか、強弱の判断と3分割のポジション操作がルール化されている「中源線建玉法」は、トレードの“かたち”を示してくれます。バランスを保ちながら進むプロのトレードスタイルを、誰でも体感できるのです。

中源線は、「うねり取り」の売買を実現する方法論のひとつです。
では、うねり取りとは? ザックリと説明すると、下の図の通りです。



多くの人が好む「銘柄を選別して乗り替えていく」方法は、興味を持続させてくれることが利点です。半面、その場限りの判断や思いつきの行動が入りやすい……「なんでもあり」のダボハゼ投資になりやすいのです。

ちょっとストイックに感じるかもしれませんが、思い切って銘柄を限定することをオススメします。

材料を物色しながら「なにを買うの?」というアプローチだと、ストレートにダボハゼ投資になり、あっという間に塩漬け株を抱える状態に陥ります。

それに対して、銘柄を限定して定点観測すると、「どこで買うの?」「どこで売るの?」「どんな動きが自分の狙いどころ?」といった発想が自然に生まれます。
そして、行動をコントロールするための技術に目を向けます。

「適正な資金稼働率は?」
「手を出さずに休むべき場面もあるね」

こういった、実践的なプロの思考に近づくのです。