経済紙の「市況解説」記事など、多くの株式市場の解説は、「まずは日経平均の変動、そして水準」を語ることからスタートします。
この部分を素直に受け入れた時点で、情報弱者、情報難民だと断言します!
平均は、単なる“中央値”です。
「日経平均」は、構成する225銘柄(東証プライム市場の1割強)に限定しても、個々の変化を正確に表現していません。
極めてざっくりと、「株が総じて高ければ日経平均の水準も高い」と説明できるだけで、実践では利用価値のない観点です。
私はよく、学校のテストの成績にたとえます。
数学が50点、英語が50点だったら、平均は50点です。
次のテストで、数学が0点、英語が100点でも……平均は前回と同じく50点です。
数学が0点になったのも“事件”ならば、英語が100点になったのも“事件”です。
でも、平均は前回と変化なし・・・
日経平均そのものがトレードの対象ならば(株価指数先物あるいはETF)、構成する225銘柄を見る方法と、日経平均そのものを見る方法、どちらも考えられます。
でも、トレードの対象が個別銘柄だったら、日経平均を見る意味はゼロ、いやマイナスの効果しかないのです。
どの銘柄でも、日経平均との動きのズレは、その時々でまちまち。
だから、「先行指標にはなり得ない」のです。
では、私たちプレーヤーは、“チャートでなにを見るべきか”を考えてみましょう。
損益という結果がシュールすぎるので、つい「価格」ばかりを考えてしまいます。
つい「天井」や「底」に焦点を当ててしまうのも、「価格」だけに目を向けた結果の誤った思考です。
でも、チャートは「二次元の図」です。
チャートを構成する要素は2つ。
タテ軸の「価格」とヨコ軸の「時間」(日柄)ですね。
これら2つの要素で「トレンド」が生まれ、私たちはそれを見ています。
「上げ」か「下げ」か、「このトレンドがつづく」のかと……。
また、やはり2つの要素の関係から、トレンドが「急」か「緩やか」かを判断します。
さらには、例えば「緩やかな上昇から急騰に移った」といった変化……言葉を重ねたら、「変化の度合いが変化するさま」を読み取ります。
こんなふうに考えていくと、あらためて「底」や「天井」に焦点を当てることは、それほど重要ではない、実践的には意味がない、と理解できます。
チャートを構成する2つの要素「価格」「時間」を等しく扱い、もっと「変化点」に注目するようにしましょう。
10月4日のブログで、「変化点」を検知し、「素早く行動する」と述べました。
天底を当てることなど考えず、現実にポジションを取ることに意識を向けるのが正しいのです。自分が“ポジションを取ることができるタイミング”を探すのです。
私はよく、トレーダーの行動をサーフィンになぞらえて説明します。
海面でサーフボードにまたがって波を待ち、「よし、この波だ!」と感じたらサッと行動し、あとは上手に乗ることに集中する──「判断と行動」という点ではトレードの実践と同じです。
海の波がなぜ存在するか、目の前にある波はどこで発生したか……そんなことに興味を示さなくていいのです。
すべては行動のため、“行動してなんぼ”なのです。