中源線の勝率を計算してみると、平均して50%を少し割り込みます。
相性の悪い銘柄もありますし、「機能する」と言いきれる銘柄でも連敗する場面があるということです。

結局、どんな予測法を使っても、おおよそ50%の勝率におさまるのが、トレードの現実、金融マーケットの真実なのです。

ただ、使う側の人間に「期待」があるので、「もっと当たるものが存在する」という錯覚が生じます。その錯覚によって情報を見誤ったり、タチの悪い勧誘に引っかかったりするわけです。

慎重に検討して「そこそこ機能する」と踏んで、いざトレード!
すると、まさかの連敗・・・

こんなケースでは、「このやり方、実際の勝率は10%くらいじゃないの?」なんて思いが脳裏をよぎるのですが、そんなことはゼッタイにありません!

もし、本当に勝率10%ならば、常に真逆をやる、つまり「売り」「買い」を逆にするだけで『勝率90%』という驚異の結果を得ることができます。だから、「勝率10%」のルールなど、理論的にあり得ないのです。

「おおよそ50%の勝率におさまる」と述べましたが、出動の機会をグッと絞り込むことで勝率を上げる道はあります。

利益のチャンスを逃す“機会損失”を覚悟で、ポジションを取らずに見送る場面を増やす、という選択です。
これは、とても正しい考え方で、特に裁量でトレードする場合は、休みの期間が脳内リセットの効果も生むので、非常に有効です。

出動の頻度を高くした場合は、どうでしょうか?
ムリに勝率を高めようとすると、「勝率は高いが利幅が限定的」という悲劇に近づきます。勝率のために小幅利食いを優先することになり、避けようのない損失をカバーできなくなるのです。

結論として、多くのシステムトレーダーが「勝率50%」を目安にロジックを詰め、見込み違いの損を抑えつつ、当たったときにねばって利を伸ばすよう努めています。

裁量でもシステムでも「損小利大」の原則は同じ。「当てる」ことを求めるのではなく、当たったときの対応、曲がった(外れた)ときの対処を考えます。

突き詰めると、「当てることを放棄する」という極端な表現にたどり着くのです。