相場で大切なのは、とにかく「待つ」ことです。
頭で理解していても待てない、オトナなのに「待つ」ことが難しいのです。



この3行の言葉だけでは、わかりにくいので、ひとつずつ説明しましょう。

まずは、1番目の「建てないで待つ」、つまり、ポジションを取らずに“絶好のチャンスを待つ”というイメージについて解説します。

株式市場では、「株価指数に動きがない」という状況でも、個別銘柄を見れば日々、相当な変化があります。

「いつでも、なにかしらのチャンスがある」
「やらないのは損。それを取りにいかなくちゃ!」

ごく当たり前の心理です。
私たちトレーダーは、ある意味、獲物を追う“ハンター”なのですから・・・

でも、「可能性がゼロではない」というだけです。
狙って手を出して、「そこそこの確率で取れるかどうか」を検討するのが実践です。

隣の芝生は青い……「取れそう」な気がするだけです。
錯覚が生じ、派手な動きに翻弄され、余計な情報に惑わされるケースが大半です。

不特定多数の参加者が、ひとつの場でカネを取り合うのが株式市場です。
他人を上回ることで「勝ち」を手に入れるには、自信のある“得意技”を駆使するしか方法はありません。

ということは・・・

本当の意味の「チャンス」とは、その得意技を繰り出すことのできる値動きパターン、出現頻度の低いケースだと考えるべきです。

こうやって状況を整理すると、日々のさまざまな変化が、少しちがうものに見えてくるはずです。

「手を出せば儲かるかもしれない」(可能性はある)
「でも振り回されるかもしれない」(損になる可能性も大きい)
「トントンか少し利益で終わったとしても、時間とエネルギーを費やす」
「その結果、自分のワザが乱れてしまうかもしれない」

実践者として、これくらいの落ち着いた分析をするべきです。
オトナだからこそできない……でも、そんなカベを乗り越えて真のオトナのガマンを身につけるべきです。

でも、ガマンなんて続くものではありません。
だから、「ガマンする状態」を「当たり前」の対応だと自分に刷り込むのです。

たいへんそうに聞こえるかもしれませんが、理屈を納得して「そうだよなぁ」と考える機会がときどきあれば、イメージは変化します。

ガマンできない、つい三日坊主になってしまう──それほどに私たちの心は弱いので、逆に自分で意図的に変えることも難しくはありません。

100通りの「チャンスっぽい」動きのうち、本当のチャンスは1つだけです。
その1つを逃さずに見つけて出動し、着実に取るのです。
そのときの行動の精度を高めるために、残りの99は捨ててしまう……これくらいのイメージをもつことで、やっと実行できることだと思います。

―つづく―