CBC続報とスコット・ラッセルさんの言う "a good Ontario guy" とは? | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

今日、午後にクオンさんがCBCのスコット・ラッセルさんとフェイスブック・ライブをする、というのをすっかり忘れていました。

 

スコットさんはご存知の方も多いと思いますが、CBCのスポーツ番組のメイン・キャスターで、ジャーナリストとしても1985年以来の長いキャリアの持ち主です。

 

 

 

 

主要スポーツイベントに関しては、オリンピックはもちろんのこと、アイス・ホッケー、サッカー、陸上、スキー、水泳など多数の競技において、レポーターあるいは番組総合司会者として報道に携わってきました。

 

そして当然、フィギュアスケートに関しても毎年三月の世界選手権には必ず、現地クルーの一員として赴く大のベテランです。

 

昨シーズンのさいたまワールドでじっくりとお話をする機会があり、本当に素晴らしくエネルギッシュでユーモアたっぷり、とっても暖かいお人柄に触れることが出来て幸運でした。(「ちょっとカナダ版・松岡修造っぽいね」、と一緒に行ったYちゃんやNちゃんと言い合ったことでした)

 

さて、そんなスコットさんが(8月のストイコさんに続いて)オンタリオ州スケート連盟のパーソナリティを務めたのが9月の事でした。まあそれのオマケとしてクオンさんとのライブが実現したようでしたが、折しもCBCのフィギュアスケート放送が議論されていたので、ライブ中に最新情報を投下してくれていたんですね。ほんと、見逃していて失礼しました。

 

 

 

 

 

スコットさんからの情報で興味深かったのは、ISUから課せられる放映権は「フィギュアスケートとスピードスケートがセットになっている」ということ。これは知らなかったので驚きでした。そしてその権利の額がEXORBITANTであった、ということ(=目が飛び出るほどの高額、という感じ)。カナダだけではなく、ヨーロッパ各国も手が出なかったところは多い、とも言ってました。

 

そしてせめてもの救いは、世界選手権に関してはCBCがテレビで放送できることになった、ということ。なんぼなんでもモントリオールでのワールド開催ですからね、中継できなかったらアカンでしょう。

 

その他にクオンさんとの対談の中で取り上げられていたのは、スコットさんのフィギュアスケート取材に関する思い出などでしたが、初めてレポーターを務めたソルトレーク五輪でのエピソードが傑作でした。

 

 

 

 

当時、カナダの女子代表だったジェニファー・ロビンソン選手が会心の演技で7位になった時、喜びのあまり左足を蹴り上げたそうなのですが、ちょうど同じタイミングでスコットさんがマイクを傾けようと彼女の方に屈み込んで、危うく眉間にスケート靴が刺さりそうになって

 

「最初にして最後のスケート取材になるところだった」

 

とのこと。まあ大事に至らなかったから笑えているわけですが、良く考えたらこのシチュエーション、すごく恐ろしいですよね。

 

その後、クオンさんが "Some of your favorite figure skating performances?" というお題を出すと、平昌五輪でのテサモエたちのフリー・ダンス、全盛期のパトリック・チャン、そしてデュハメル&ラドフォードなどを挙げました。たまたま皆、オンタリオ出身のカナダ人スケーターが並んだわけですが

 

(33:15辺り)

 

I'll throw in one more,

Because he's a good Ontario guy...

あともう一人、(この中に)入れとこうかな

だって、彼も立派なオンタリオ男児だし

(*good どこそこの guy とか girl と言う場合は「うちらんとこの地元のええ若者やさかいに」みたいなノリと思ってください)

 

 

 

その後、「まあ、一年の一部、練習しているのがオンタリオだっていうのは分かってるんだけど」と自らツッコミながら

 

But you have to be in the rink...

If you are ever fortunate enough to be in the rink, for all of you people out there, to be in the rink when Yuzuru Hanyu skates
でもリンクにいなきゃ。。。

(と言いかけて、言い直す)

もしも幸運にもリンクにいることが出来たら、ですよ、皆さん、

ユヅル・ハニュウが滑っているその時に

(クオンさんも首を左右にゆっくり降って「もうそれはそれは信じられないほどのことなのよ」とジェスチャーで同調)

 

 

 

 

If you can be in the rink, he is...

I mean, he takes your breath away, the guy is THAT good.

リンクにいることが出来たら、彼は。。。

何というか、もう息が止まるほどだよね、あの男の上手さは、もう本当に。

 

And he is so committed, mentally and physically to what he does, he leaves... that's an old expression "you leave everything on the table, on the field of play, on the ice" but he leaves EVERYTHING on the ice.

しかもメンタルの面でも、身体的な面でも、自分の全てを注ぎ込んでいる。使い古された言い回しで「その場に、フィールドに、氷の上に、余すところなく全てを出し尽くす」ってのがあるけど、彼はまさにす・べ・てを氷の上に出し尽くすんだよね。

 

I don't know if I've ever seen a guy that good.

あそこまでの選手を見た憶えはない、って気がする。

 

 

これを聞いてて、まさかこのタイミングでスコットさんが羽生選手のことを持ち出すとは思っていなかったので素敵なサプライズでした。

 

CBCの花形スポーツキャスターとして14回もの五輪取材を経たスコット・ラッセルさんをして、「あんなの見たことない」と言わしめた羽生結弦選手。さすがです。