2018年GPスケートカナダ(ラヴァル大会):10月27日の朝です。 | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

皆様、おはようございます。

 

昨夜は最後のシャトルでホテルに帰ったので、その後、パソコンに向かって報告する力が残っていませんでした。

 

やはりオータムクラシックと比べても、一日単位でみると仕事量は少ないのですが、競技という面に限って言えば緊張度は違います。さすがにGPイベントですので、Planned Program Componentsやジャッジング・ディーテールへの関心度が高く、情報も迅速に伝達しなければなりません。

 

そしてテレビも四局(カナダはTSNおよびフランス語系のRDS、テレ朝、そしてロシアのテレビ局)が来ていて、演技後の取材攻勢もえらいことになっています。ミックスゾーンではロシア語や英語や日本語が飛び交って、人気選手への質問を誰がさせてもらえるかでメディア勢にも闘争心が求められます。

 

コーチへのインタビューも行われます。当然のことながら日本のメディアにとってオーサーさんに対する関心は高く、昨日の女子の練習の後、特別に囲み取材に応じていました。また、さきほどはロマン・アゲナウアーさんが宇野選手とのスケーティングの練習について語ってくれました。非常に興味深い話が聞けた、と記者の方々も喜んでいらっしゃいます。宇野選手のファンの皆さん、楽しみにしておいてください。

 

さて、肝心の競技、ですが、相変わらず私は裏でバタバタしていましたので間、間、でしか追えていません。しかし男子SPはおおかた、モニターで見ることが出来ました。

 

ローマン君、オータムの調子でここでも活躍してくれるかと思ったのですが、ちょっと残念なSPになってしまいました。でも明らかに彼の滑りは良くなっているので、めげずに頑張ってほしい。フリーではどんな演技を見せてくれるのか?

 

そしてナム君、これはスタンディング・オベーションを招いた素晴らしい演技でした。細かいことはさておき、ジャンプを全て降りて、ナム君らしいノリノリのパフォーマンス、心からの笑顔で終われたのが良かった。観客も彼のこれまでの道のりを知っている人が多かったからか、すごい声援でした。いやー、良かったわあ。

 

カナダ男子のトリはキーガン!ナム君の好演技に拍手を送り、会場のエネルギーをそのまま受け継いで見事なSPを滑り切りました。今大会直前に婚約を発表したキーガン選手、今、スミスさんの記事によると「雲の上を漂ってるみたい(に幸せ)」だそうです。ジャンプも全て決まり、リンク狭しと疾走する彼はまるで突風のようなスピードでした。自分でも爽快だったのでしょう、リンクを下りる時に得意のバックフリップをやるそぶりを見せて会場を一層沸かせました。

 

宇野選手、びっくりしましたねえ、あのトリプル・アクセルの後の派手な転倒。ボードにぶつかってしまってヒヤリとしました。スロー再生で見るとよけいに怖い。でも演技後、取材の場ではしっかりと対応して立派でした。キーガン選手に7点の差を付けられての二位、悔しい表情をしていましたがフリーでの巻き返しは可能です。二日目のフリーで選手たちが競り合う方が勝負は面白いですよね。

 

あ、男子の記者会見では宇野選手の通訳をさせていただきました。その時の面白い記者とのやり取りはそこかしこで報道されているかと思いますので探してみてください。

 

なお、このラヴァルのリンクが狭い、という感想が特にペアとアイスダンスの選手から多く聞かれました。ペア首位のジェームズ&シプレ組、そしてアイスダンスのギレス&ポワリエ組が特に困惑した模様で、パイパーたちは現に大きなミスをして出遅れてしまいました。残念ですが、フリーダンスに期待しましょう。

 

女子も面白かったです。日本選手たちの頑張りによって、記者会見では二人の通訳を同時に引き受けることになりましたが、それも嬉しい悲鳴。二位の樋口選手、本当に会心の出来だったようで笑顔が弾けました。オータムとは全然違った表情にこちらも嬉しくなりましたよ。今シーズンのSPは素晴らしいプログラムで、まさに彼女にしか滑れない、というものですよね。三位の山下選手、なんという愛らしい、元気なスケーターでしょうか。日本チーム内ではダークホースとして期待されていたのですが、その期待に見事に応えましたね。今日のフリーが楽しみです。

 

SP首位のトゥクタミシェワ選手、すごい存在感でした。もちろん、トリプルアクセルを成功させたこともありますが、自分で自分を演出し、しっかりとそれを実行する強さが圧倒的です。ロシア女子の中でも特別な位置づけでしょう。今シーズンの彼女の戦い方に注目したいと思います。

 

そこへ行くと、メドヴェデワ選手はまだまだ発展途上、という感じがしました。ある意味、彼女の過去の成績をいったん忘れて、白紙に戻して見ていくことに私はしています。ここで焦ってはダメ、少なくともひとシーズンは猶予が必要なのだとコーチ陣も彼女自身も理解しているとのことです。ファンもそのつもりで気長に応援することになりそうですね。

 

さあ、朝の練習が終わろうとしています。これからまた競技が始まり怒涛のミックスゾーンが繰り広げられるので、次のレポートは明日になるかも知れません。(ってか絶対に明日だな)

 

では皆様、フリーの演技もお楽しみください。