先週末はチームカナダの選手たち、そしてスタッフ陣も平昌へと向かったようですね。
クオンさんはすでに先週の水曜日(1月31日)に現地入り、ショート・トラックとフィギュア・スケートの会場でアナウンスの予行演習などが始まっているそうです。
そして今日はカーマイケルさんからメッセージが入り、現在ハリファックスからトロント経由で韓国へ移動中とのこと。
同じく本日出発するのは初・五輪遠征のダニエル・アールちゃん!
大会中に25歳のお誕生日を迎える彼女ですが、弱冠16歳の時からプロのカメラマンとして活躍しているこの道での天才少女。素晴らしい写真の数々は皆さんもご存じかと思いますが、どうぞダニエルさんのインスタグラムやHPにてご堪能ください!
さて、すでに現地入りしているオーサー氏から最新の羽生結弦選手関連の情報が入り、ファンはきっと安心・大喜びしたことでしょう。
ちなみに私は個人的に「(羽生選手が)団体戦を回避した」と聞いた時に全く驚きはありませんでした。なるべく多くの時間をかけて個人戦に備えるのは当然だと思っていましたから。
だって、団体戦を予行演習、などと捉えるのって、前回のソチ五輪が初めてだったじゃないですか?よっぽど開会式に出たいとか、旗手に任命されているだとか、そういうのがない限り自分の出る競技の、公式練習の少し前に会場に赴くのが当たり前だったわけですからね。
なのでハビ選手とトレイシーさんたちと一緒に、11日にカナダ出発(つまり12日に韓国入り、ということだと思いますが)で全く順当なスケジュールでしょう。それまでオーサーさんがしっかりと現地で土慣らしをしておいてくれるはずです。
以前も書いたような気がしますが、北米のプロスポーツを観ていると、チームの責任者(ヘッド・コーチやジェネラル・マネージャーなど)がメディアの窓口になり、選手の「盾」になるのが彼らの大きな役割の一つであることが分かります。
NHLで最も強いプレッシャーのかかるチーム、Toronto Maple Leafsのヘッド・コーチ、マイク・バブコックは連日の取材攻勢も仕事の内
テレビ中継で臨場感を出すため、選手が試合中のインターミッションに短いインタビューを受けることはありますが
プレイオフなどの緊迫した状況になればなるほど、試合前・試合間の情報管理はチームのトップが行うようになります。自チームの選手の怪我の状況をうやむやにしたり、次の試合ではどういったラインナップを揃えて来るのかも含めて、全ての発言は相手チームの心理を翻弄するための(マスコミも巻き込んでの)作戦の内。ファンや一般人からの様々なプレッシャー(良いものもそうでないものも)の矢面に立つのもコーチたちの役割です。
NHLではありませんが同じホッケーで有名な例としては、現役を引退して2002年のソルトレイク五輪でチーム・カナダの総責任者に任命されたレジェンド、ウェイン・グレツキーが「文句タラタラ」の記者会見を行ったこと。
ホッケー王国を自負するカナダにとって、前回の長野五輪でメダルさえ獲れなかったのは大きな挫折でした。そのため、ソルトレイクでは尋常ではないプレッシャーがかかっており、優勝以外は失敗と見なされるような状況でした。そこで普段は紳士的で温厚なグレツキーがいきなり記者を相手に激高し、「皆がカナダを敵だと思って、僕らが負けたら良いと思ってる」などと被害妄想ちっくな発言も飛び出す始末。
皆が呆気にとられてニュースはその話題に持ちきりになりました。おかげで選手たちは静かに準備をする余裕を与えられ、しかもグレツキーの愛国心に溢れた言葉にインスピレーションを受け、見事に決勝でアメリカを破って金メダルを獲得。
謙虚で控えめなグレツキーは、自分が意図的にに上手くマスコミを操った、とは決して認めていませんが、関係者やファンの間では巧みな情報操作の有名なエピソードとして語り継がれています。
というわけで、平昌においても、競技はまだこれからですが、すでに戦いは始まっているのです。メディア、ファン、そしてジャッジたちにいかにアピールするか、情報を伝えるか、は大きな要素であり、ブライアン氏の得意とするところ。
(見た目はポヨヨーンとしてるけどね。
二頭のサラブレッドの担い手としては長けているのだ。)
ところで私は明後日、日本へと向かいます。そのために仕事を大車輪で片付けているのでブログ更新やコメントへのお返事も滞っていますが(=言い訳)、今週末に神戸を訪れる長男と実家で落ち合い、しばしの再会。それからは母と過ごす予定です。
次は日本からの更新になるかも知れません。
それまで皆様、ごきげんよう!