CBCのテレビ放送を見終えたのがまだ1時間半前なのに、なんだかえらく遠い昔の様な気がします。
コーフンして力が尽きたのでほんの少しだけ、感想を。
これまで何度も言ってきたことですが、今夜ほど、痛感したのはちょっと久しぶりだったかも知れません。
スポーツなんだから、試合は戦って見ないと分からない。
誰もが一昨日のSPが終わった時点で、羽生選手の優勝を確信したでしょう。多少、フリーでミスがあったとしても、GPFやNHK杯ほどの出来ではなかったとしても、余裕で勝てるだろう、と。
ところがところが。
終わってみればフェルナンデス選手が20点もの大差をつけて二連覇。
この展開にはさすがに呆然としました。
もちろん、羽生選手がフリーでベストの演技を出来なかったのは残念でした。
でも、ソチでは同じように羽生選手がSPで大差でリードしていて、フリーで崩れた時にその隙をつけなかったパトリックとは違って、ハビエルは最高の演技で優勝を掴んだ。
最終グループの演技を一緒に観ていた(フィギュアには疎い)主人でさえも、ハビエルが次々とジャンプを決め、プログラムが進むにつれどんどん動きが軽やかになって行くのを見て、「あ、これはハニュウを抜いたな」と分ったほどでした。
これは快挙としか言いようがなかったし、こういう勝ち方をしてくれて気持ちが良い。
ナム君も言ってたけど、
すばらしいわ、ハビ、おめでとう。
奇しくもお昼間に中継されたペア競技を解説していたカートさんが、
「一度、世界チャンピオンになるという経験をした者は、それ以前とは違った競技者になる」
と言っていました。
ハビエルはその言葉通り、世界チャンピオンとしての自信と誇りを持って競り合いに挑み、ここ一番という時に底力を発揮して、見事に勝負を制した。
誰もが今シーズンの絶対王者と見なしていた羽生結弦から優勝を勝ち取ったのです。
そして、試合が終わってみると、
スペイン代表、ハビエル・フェルナンデス
二年連続、ワールドチャンピオン
二年連続、ワールドチャンピオン
ヨーロッパ・チャンピオン四連覇はもちろんだけれど、ワールドでの連覇はハビエルがこの時代の名スケーターとして人々の記憶に残ることを保証しました。
1位、2位の順位が逆転していれば、ほぼ間違いなく、次のオリンピックまでは羽生選手が「無敵」という扱いでスケート界の地勢図は固まっていたでしょう。
ところがこの大会の結果を受けてまた、俄然、様相が変わってしまった。固まるどころか、地勢図はまだまだ流動的なのだ、と皆が教えられた。
私たちは(羽生ファンとしてはちょっと辛いけど)、スケートファンとしてそれを素直に喜ぶべきだと思います。
とりあえず、まだ気持ちの整理は完全についていませんが、これが結論かな。
なお、私事ですが、神戸の母にこの展開を知らせたところ、すっかり落胆してしまって
「今夜のテレビ放送、見る気なくなった」
と拗ねています。
まあでもハビちゃんの演技は素晴らしかったから、見る価値あるよ、と宥めたのですが、どうなることやら。