江戸後期の儒学者、佐藤一斎は「壮にして学べば則ち老いて衰えず」と記し、「老いて学べば則ち死して朽ちず」と生涯学び続けることの大切さを説いた。

 

その言葉を新聞で知った私は、そういう生き方をしたいという思いもあり、その記事を手帳の表紙に貼り、毎日それをアファームしている。
 

 最近、それを実践している人を知った。

■「学び続ける限り人生に引退なし」
 

私が幼少の頃、テレビでよく耳にした昭和の大スター橋幸夫が78歳で大学に入り、80歳の現在、勉強に奮闘中という記事を目にした。
 

2022年4月3日、橋幸夫は京都芸術大学の入学式で、新入生代表として壇上に立ち、
 

「私にとって本日は人生最高の出来事の一つです。新しい夢と人生のスタートを切れることに今、心のワクワク感と喜びを感じております」と述べた。
 

高校2年で歌手デビューし、芸能活動のため高校へは殆んど行けず「青春の思い出があまり残っていない寂しさを感じていました。さらにその先の大学で学ぶということへの興味や憧れもありました」と言う。
 

「相変わらず課題やレポートに追われています。・・・・大変だけど、学べば学ぶほど奥が深いなぁと。探求好きの僕には学び甲斐がある。もっと上手くなりたいという欲も出ますしね」と、今は語る。
 

「学ぶことで、人は自分の感性、個性を超えた次元のものを得られる。だから僕は命ある限り学んで人生を謳歌したいんです」とも語っている。
 

本当に勇気づけられる言葉だ。
 

80歳を超えても人々を元気づけ、大きな影響を与え続ける橋幸夫はやっぱり大スターだ。

■オレ、5年で放送大学を卒業したわ
 

この四月に75歳になる兄より、今月の初め、久しぶりに電話がきた。

 

世間話の途中で,「実はオレ、5年前に放送大学に入って、この度卒業することができたんだ」と言う。

 

私は本当に驚いた。

 

放送大学で学んでいることは全く聞いていなかった。

 

それでいくと、70歳で入学したことになる。

 

兄は10年ほど前に脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になり、車の運転もままならない状態だった。

 

倒れたころは、気を付けないと寝たきりになるか認知症になるのではないかと心配したものだった。

 

しかし、ここ数年、不自由そうではあるがしっかり歩くようになってきたなと思ったり、また、医者には無理だろうと言われていた車の運転もするようになり、驚いていた。

 

その「大学を5年で卒業できた」という言葉を聞き、その訳が分かった気がした。

 

若いころより、兄も先述の橋幸夫と同じ思いを持っていたようだ。

 

そして最後に「オレは死ぬまで学び続けていたい」と言った。
 

大学院にでも入って博士号(?)でも取りたいのかなと思ったりしたが、それはまた会った時にでも、じっくり聞こうと思った。
 

過日のブログで、目標を目指すと素晴らしい副産物が生まれると書いた。

 

大学を卒業するという目標を通して、正に兄は、心身の健康をも取り戻すという素晴らしい副産物を手にしていた。


二人の生き方に、私は今、大きな元気と勇気をもらっている。

 

この思いをまた多くの人に伝えていきたい。
 

「死ぬまで学び続けましょうよ」、と。

 

 

 

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