現雪組の主演コンビのサヨナラ公演が
はじまってから
ちょうど一週間が経とうとしている。
男役・水夏希（みず・なつき）。
(C) 2010 MJ/TAKARAZUKA REVUE COMPANY
娘役・愛原実花（あいはら・みか）。
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宝塚歌劇の聖地、
兵庫・宝塚市にある
宝塚大劇場での最後の公演。
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今回は近年少なくなった
主演W退団である。
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作品は、
正塚晴彦の
『ロジェ』
と
三木章雄の
『Rock on！』
私は正塚作品については
タカラヅカの典型的な作品だと
思っている。
トレンチコートが似合い、
男臭さが漂う、
そんな作品が多い。
今回の『ロジェ』も
そんな雰囲気の作品に
仕上がっている。
そんな彼の作品を観る前に
毎回「裏切ってくれ」と
思うことが一つだけある。
それは「役どころ」。
彼の作品には
役の数が少ない。
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タカラヅカの作品だけに
男役がせめて5番手くらいまでは
役に名前があり、
通しで出て、
幾つかの場面が
あって欲しいのだ。
さらに、
その役たちを盛り上げるための
下級生たちのシーンが
あって欲しいのだ。
しかしながら、
「ない」のだ。
しかも、ストーリー展開が
分かりにくい。
でも、
彼の作品には
先ほども述べたように
トレンチコートが似合い
男臭さが漂っている。
正塚作品が
タカラヅカを愛する
ファンに好まれるのは、
女性から見た
タカラヅカの格好良さが
そこにあるからだ。
タカラヅカのことを
とても愛していたちかさんの
サヨナラ公演には
そういう作品が
似合っているのではないか。
水夏希。
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タカラヅカを愛した男役だ。
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芝居やショーのいたるところで
相手娘役、みなこへの
優しさが見受けられる。
みなこが
立ち位置を
間違えた時、
さりげなく合図したり、
銀橋でのシーンにおいては、
照明が落ちてハケる時に
手をとってエスコートを
している。
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そのような姿を
目の当たりにすると
「男役」だなぁ～と思うのである。
そういった
さりげなく、
エスコートする姿が
この公演では
見うけられるのである。
まさに、
サヨナラ公演。
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その相手である、愛原実花。
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彼女は
研究科7年である。
初舞台は
2004年の同じく雪組の
『スサノオ』と『タカラヅカ・グローリー』
である。
そう、90期生のひとり。
また、
翌年の阪急電鉄の
初詣ポスターのモデルにも
抜擢されている。
彼女は
ご存知の通り
娘役である。
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嘘か真かはいささか疑問だが、
以前「娘役像」で次の様なことを
聞いたことがある。
タカラヅカにおいて娘役は
「白色的人物」
である方が適している
と。
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それは、
白色は
男役に、作品の役に
染められるからだそうだ。
彼女は、まさに
「白」だろう。
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しかし、材質が違う。
柔らかい作風の
水彩画に使われる紙に
のせる白ではなく、
幾度と色がのせらていく
油彩で使われる
「白」なのである。
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少し抽象すぎたが
つまりは、
「強い娘役」
だと思う。
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最近の作品からして
彼女は
ちかさんによって
磨き上げられたと思う。
そして、
彼女はその磨きに耐えられる
「強さ」を持っていたのだと
私は思った。
だからこそ、みなこは
ちかさんが退団を決めた時に
一緒に退団しようと
「決意」したのだと思う。
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2010年
9月12日日曜日。
また二人の
可憐なタカラジェンヌが
宝塚歌劇の
歴史のひとページに
刻まれる。
雪組主演男役
水 夏希（みず・なつき）
(C) 2010 MJ/TAKARAZUKA REVUE COMPANY
と
雪組主演娘役
愛原実花（あいはら・みか）
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その人たちが・・・。
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＜公演情報＞
宝塚歌劇 雪組
『ロジェ』
『Rock on！』
宝塚大劇場公演
2010年7月26日（月）まで
東京宝塚劇場公演
2010年8月13日（金）～9月12日（日）