1、たよりない笑顔


 どうしてだかわからない。でも、私はたしかにあなたに惹かれていて、それはもう何か大きな力が私に働いているとしか思えないほどに、私はその気持ちに抗うことができないの。

 あなたのその笑顔。

 どこまで頼りないのかしら。触れれば空気に溶けて消えてしまいそうなほどにふわりとしたそれ。

 私がそばにいてずっと守ってあげなくちゃって、私がいなかったらどこかで死んでしまうんじゃないかって、そう思ってしまうじゃない。

 でも私だって、あなたのその顔をずっとそばで見ていないと、のどが渇いて死んでしまうのだわ。



2、追いかけるのはいつも


 いつでも涼しい顔して、余裕な態度で飄々と生きている。

 きっと陰で努力しているんだろうけど、それでもやっぱり私はあなたが気に入らないのよ。

 追いかけるのはいつも私ばかりなんだもの。

 いつかあなたがみっともなく汗をかいて私を追いかけて来るなら、それはそれで楽しいんでしょうけど。

 でも、そんなあなたを見るのはやっぱり嫌ね。

 だって、私はあなたと並んで歩きたいのよ。



3、動けないきみ


 意地っ張りで、すぐに膨れて。

 いつも偉そうで、おれを困らせて遊ぶのが好きで。

 たまに喧嘩しても、最後に謝るのはいつも俺のほうで。

 でもそれがあんまり悔しかったから、ちょっとした悪戯心できみを壁に押しうけて動けなくしてみた。

 驚いたように、……ちょっと怯えたように俺を見上げるきみをみて、可愛いなと思ったけれど。

 偉そうでも晴れやかに笑うきみのほうが、おとなしいきみよりもずっと好きだって思った。



4、つまずいた身体


 すくいあげた君の身体。なんて軽いんだろう。

 力いっぱい抱きしめてしまえば、きっと簡単につぶれてしまいそうなほどに柔らか。

 でもその中には、喜びや幸福やちょっとしたわがままや思いやりや楽しさ、そんなキラキラしたものが沢山詰まっているんだろう。

 空っぽの僕の中まで、あたたかなもので満杯にしてしまうほどに。



5、とらえてみせよう


 捕まえようたって、そう簡単にはいかない。

 だって私はあなたを待ったりはしない。

 私はあなたが憧れている「私」に胸を張れるような女になりたいの。

 そのためには妥協なんてしない。立ち止まるつもりはないわ。

 だから私を引き留めるんじゃなくて、あなたがここまで走ってきなさい。




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